BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『マグダラのマリア』-201010。

原題:Mary Magdalene
ガース・デイヴィス 監督
2018年、英・米合作

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退屈は退屈だったけど、ちっともイヤな映画ではなかった。
マグダラのマリア、というテーマの取り扱い方が、
とても丁寧で、まじめであることが伝わったので、
好感を持ったのだろう。

こういう映画は、あまり大げさに、ドラマチックに
してもしょうがないとわたしは思う。

これから、時代の流れとか、いろいろな状況の変化によって、
もっと違う形のマグダラのマリアが 描かれることも
あるかもしれないけど、
今はこれで全然良いんじゃないかなと思った。

ルーニー・マーラが演じたマグダラのマリア
ひんやりと冷たいようで内に情熱のこもった瞳や
おだやかな話し方がとても良かった気がする。

エスの心の動きとか人柄みたいなものも、良く伝わった。

ユダの人物造型が、自分の想像とかなり近いものがあり、
うわー、まさにこういう感じだなー、と感心して観た。
でもユダの末期の描写は
わたしが知る限りでは『奇跡の丘』(1964年)に
まさるものは 今のところないなと思う。
この映画からも『奇跡の丘』ほどの衝撃は受けなかった。
静かすぎたと思う。