原題:Mary Magdalene
ガース・デイヴィス 監督
2018年、英・米合作
退屈は退屈だったけど、ちっともイヤな映画ではなかった。
マグダラのマリア、というテーマの取り扱い方が、
とても丁寧で、まじめであることが伝わったので、
好感を持ったのだろう。
こういう映画は、あまり大げさに、ドラマチックに
してもしょうがないとわたしは思う。
これから、時代の流れとか、いろいろな状況の変化によって、
もっと違う形のマグダラのマリアが 描かれることも
あるかもしれないけど、
今はこれで全然良いんじゃないかなと思った。
ルーニー・マーラが演じたマグダラのマリアは
ひんやりと冷たいようで内に情熱のこもった瞳や
おだやかな話し方がとても良かった気がする。
イエスの心の動きとか人柄みたいなものも、良く伝わった。
ユダの人物造型が、自分の想像とかなり近いものがあり、
うわー、まさにこういう感じだなー、と感心して観た。
でもユダの末期の描写は
わたしが知る限りでは『奇跡の丘』(1964年)に
まさるものは 今のところないなと思う。
この映画からも『奇跡の丘』ほどの衝撃は受けなかった。
静かすぎたと思う。