BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『オールド・ガード』など5作品まとめて-200801。

スクリーン以外では最近これらの映画を観てた。
U-NEXTかNetflixのどちらかで観た。

『オールド・ガード』(2020年)
スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(2008年)
エクス・マキナ』(2015年)
『ピュア 純潔』(2009年)
『マチルダ 禁断の恋』(2017年)

エクス・マキナ』と『ピュア 純潔』を観たのは
アリシア・ヴィキャンデルが出演してるから。
アリシア・ヴィキャンデルがとても好きになってきた。
この人が出ている映画をできる限り観たい。

・・・

『オールド・ガード』
原題:The Old Guard
ジーナ・プリンス=バイスウッド監督
2020年、米国

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悪者の描写がステレオタイプで安直な気がした。
物語は、予測の付きやすい感じにすいすい進み
意外性とかは特になく、全体としてやや退屈だった。
けどアンディ(シャーリーズ・セロン)のアクションは良かった。
アトミック・ブロンド』(2017年)の時ほど、
顔が腫れ上がって全身血まみれみたいなことがなく
スマートに闘ってくれたので、観やすかった。
(戦士歴ウン千年、という設定なので、
誰よりも強くて、闘い方に無駄がないのだろう)
アトミック・ブロンド』は、カッコ良かったんだけど、
ヒロインが満身創痍すぎて観るのがしんどかったのだ。

時を超えて闘い続ける系の映画は観ていて楽しい。
アサシン クリード』(2016年)みたいなのも。

続編が発表されたらまた観たい気もする。

クインは何もアンディを恨まなくても良いのに・・・
クインがああなったのはアンディのせいじゃないし、
捜索を止めてしまったのも何か事情があったのではないか。
もしかして鑑賞者が知らされてない秘密が
まだ何かあるのかも。

・・・

スカイ・クロラ The Sky Crawlers
原題:The Sky Crawlers
押井守監督
2008年、日本

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退屈だった。
原作の本質を致命的にとらえ違えた所に
この映画を構築してしまったという印象。
まとまりのない世界、まとまりのない話だった。
こんなことを言っても仕方がないのだが
原作小説の方が明らかにおもしろいし良くできている。

特異な設定のSFを通して、現実の社会に生きるわたしたちの
普遍的な悩みをあぶりだそうとした、ということであれば、
これだと完全に逆効果になってしまっている。
この映画の中の登場人物たちを観ていても、
「ああこの人の悩みはわたしの悩みだなあ」とは思えない。
むしろ勝手にやってくれ、と思った。

でも、夜中にボンヤリ眺める分には良い。
静かな映画なので。
それにエア・コンバットの所は観ていて楽しかった。
空の高さ、深さ、広さが結構伝わってきた。
戦闘機の重量感はあまり伝わらず
「紙飛行機以上プラモデル未満」感が否めなかったが。

・・・

エクス・マキナ
原題:Ex Machina
別題:ex_machina
アレックス・ガーランド監督・脚本
2015年、英国

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良かった。
モノスゴイことがきわめてひそやかに進行する物語だった。
この澄み渡った静けさがアレックス・ガーランド監督の
映画の特色なのかもしれない。
また観たい。

オスカー・アイザックは、出る映画、出る映画、
どれも、別人かとおもうほど、顔つきもキャラも全然違う。

アリシア・ヴィキャンデルの演技すごく好きだった。
きょとんとしたイノセントな表情に見せかけて、
その仮面の下で何かをめちゃくちゃ企んでいるような。

ハウスメイドロボットのキョウコ(ソノヤ・ミズノ)と
社長(オスカー・アイザック)が
ディスコミュージックをかけて踊り始めるシーン、
シュール過ぎた。

・・・


『ピュア 純潔』
原題:Till det som är vackert
リサ・ラングセット監督・脚本
2009年、スウェーデン

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途中までは全然悪くなかったと思う。
これからどうなっていっちゃうんだろうと思って
かなりドキドキしながら、なりゆきを見守ってた。
けど、ラストのヒロインの微笑みを観た時に、
この映画の、基本的な倫理観みたいなものが、
いったいどういうところに設定されているのか、
まったくわからなくなった。
だから、その意味で、映画としてはちょっとどうかと思う。
でもアリシア・ヴィキャンデルの演技は
本当に素晴らしかった。
目の演技とか、思わず観入ってしまう。

・・・

チルダ 禁断の恋
原題:Матильда
英題:Mathilde
アレクセイ・ウチーチェリ監督
2017年、ロシア

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退屈なだけの2時間だった・・・。
あくびが出まくった。
豪華な衣装やセットやバレエや典礼のシーンや、
きれいな女優さん以外には、
これといって観る所がない。。
2時間ずっと、「予告編」をみせられているような感じがあり、
どこを山場ととらえれば良いのか、まったくわからないまま
話が終わってしまう・・・ というのも重大な問題だった。
ニコライ2世を、人間的に、赤裸々に描くことができないなら、
こんな映画、むりして作る必要もなかったのではないか。
正直な所、幼稚な映画だなと思った。
こんなことを言うのはアレなのだが
本国ロシアの鑑賞者たちは、
この程度の映画で、はたして満足なんだろうか・・・。