BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『さらば、わが愛 覇王別姫』-200612。

原題:覇王別姫
英題:Farewell My Concubine
チェン・カイコー監督
1995年
中国、英国領香港

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チェン・カイコー監督の映画って
始皇帝暗殺』(1998年)くらいしか
ちゃんと観た覚えがなかったので  他のものも観てみようと思い、まずはこれを。

こんなに美しい映画があったんだな。

人間の 不完全さを良く描いていて
胸が痛んだけれども
見ごたえのある物語だった。

小豆子と小癩が 京劇の俳優養成所を脱走し、
京劇のトップスターの
舞台を観に行くシーン。
小癩が 役者の華麗な演技に感動し
「あれだけ素晴らしい演技ができるようになるまでに
 あの人は師匠にどんなにぶたれたんだろう。
 いくらぶたれても良い、
 ぼくもああいう役者になりたい」。
ふたりは師匠に怒られるのを覚悟のうえで
意を決して養成所に帰るのだが
そこでは 師匠が
ふたりが脱走するのを止めなかったことを理由に
生徒たちをめちゃくちゃに折檻していた。
あまりにもひどい暴行におびえた小癩は
絶望して自殺してしまう。
「叱られても頑張って立派な役者になるぞ」と
ついさっきまであんなに言っていたのに。

すごい急展開に驚いたが
こういうものなのかもしれないな・・・と
思わされる所が あったことも確かだった。

・・・

程蝶衣の心の痛みを思うと
わたしもつらい。
あまりにもかなしみが深すぎて あわれすぎて 
とても簡単に語ることはできそうにない。

文化大革命の煽りを受けて 
群衆にかこまれ
程蝶衣と段小楼が自己批判を強制されるシーンには
目をそむけたくなるような いたましさがあった。
お互いにあんなことを言いたかったんじゃないはず
なんだよなあ。ひどすぎる。
菊仙も気の毒すぎる。

・・・

レスリー・チャン 自殺しちゃったんだよなあ。
それを思うと本当に なんだかなあ。