BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『ブレイブ・ハート』-200612。

原題:Braveheart
メル・ギブソン監督・主演
1995年、米

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先日観た『エリザベス ゴールデン・エイジ』よりは
ずっとおもしろく感じた。

だが、表現手法、という意味でも、 
表現しようとしていることの内容、という意味でも、
あまりにたどたどしく、幼い作品であることに驚いた。
2020年の視点で、1995年の映画に向かって
こんなことを言ってもしかたがないのだが、
「あんたらまだそんなことやってんのか!!!」
って言いたくなるような・・・。
もう 何もかも通り越して微笑ましく感じられて
「なんてカワイイ映画なんだろう」
みたいな 謎の好感の持ち方をしてしまった・・・

どんどん美しく、高度に、
しかも複雑化の一途をたどってるもんな
最近の映画は。
そういうのばっかり観慣れている所へ
95年のハリウッド映画などを観た日には
なんかもう カワイイ、って言う感じが
してしまうんじゃないかなと思う。

ウィリアム・ウォレスと
ロバート・ザ・ブルースの関係の描き方が
なかなかおもしろかった。
確かにこういうこともあったのかもしれないなと
思わされるところがあった。

ロバートは ウィリアムが生きている間には
ウィリアムと足並み揃えて共闘することはできなかった。
でも、ウィリアムの死後、その遺志を継ぐような形で
ふたたび挙兵し、祖国の解放を求めてイングランドと戦う。
その決戦となったバノックバーンの戦いが
去年あたりにネットフリックスで観た
アウトローキング スコットランドの英雄』(2018年)
の物語に なっているわけだった。

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アウトローキング』のバトルシーンも 
そりゃもうぐっちゃぐちゃで
かなりハードで とても良かったのだが
『ブレイブ・ハート』は凄惨さという点で
さらにその上の上をいく感じだった。
個人的にはかなり好きな感じの戦闘シーン。
戦争史劇ものの映画のバトルシーンを
観るといつも 思うんだけど
お馬さんたちがかわいそうだな・・・
けっこう転ばされたりとか
いろいろかわいそうな目に遭っていて・・・
まさかケガとかしていないよね??
筋肉もりもりの男たちが 薄汚れたキルトを
無造作に着込んで戦う姿はカッコよかった。
でもこの映画よりも 時間的に少しあとの
物語であったはずの
アウトローキング』では
スコットランドの兵士たちは確か
キルトを着てなかった。
時代考証的に『アウトローキング』と
『ブレイブ・ハート』とどちらの方が正しいのか
わからないな。
ただ、メル・ギブソン
すごく「映え」を意識する監督だからな(笑)
そもそも そんなことを言ったら 
ウィリアムたちがいくさの時に顔にほどこしていた
青色のペイントも
スコットランドじゃなく確かケルト民族の伝統だ(笑)
キルトのことに話を戻すと
多分だけど
キルトが スコットランド人の民族衣装です、
みたいな感じがスコットランドの人びとの間に
浸透していったのは
ウィリアム・ウォレスの時代よりも
ロバート・ザ・ブルースの時代よりも
もっとずっとあとなんじゃないかなと思われた。
つまりブレイブ・ハートのスコットランド兵たちが
戦闘装束として キルトを着ていたのは
時代考証的に言ったら、おそらく間違っているのだ。
だけど、相当カッコよかった(笑)
バトルシーンで、どろんこの乱戦になっても、
どっちがイングランドでどっちがスコットランド
見た目ですぐにわかるし、
衣装が揃っているとやはり 「映える」。

スコットランド兵たちが
戦場であいまみえたイングランド軍に向かって
いっせいに キルトの下をぱっとまくりあげ
「おしりペンペン」で挑発したのはキュートだった。
筋骨隆々の何千からの男どもが
みんなで おしりペンペン・・・
この映画の中で最高のシーンだったかも。
ああいうこと本当にやっていたんだろうか。
もし本当にやっていたなら最高。