新型肺炎が流行している。
病気ももちろん怖いけど、それよりも、わたしは
人びとの、どこに向ければ良いのかわからない不安や焦りが
膨らむだけ膨らんで、暴走しつつあるように感じることの
方が、怖い。
本当に暴走が始まってしまったならば、
その時こそ家を内側から完全に施錠して、
騒ぎがおさまるまで、ずっと隠れていたいと思う。
図書館に行きたい。
書店に行きたい。
友だちと会いたい。
いつもの喫茶店でゆっくり仕事がしたい。
映画館で観たい映画は映画館で観ている。
混みやすいサービスデーなどを避けて
平日の朝一番や、日曜日の
一番最後の上映回などを狙っている。
※でも同じことを考える人はけっこういるようで、
いつもならガラガラの時間帯でも、今は割と混んでいる。
けっこうつらい毎日だ。
だが健康第一だ。
こう言ってはアレかもしれないが、
いっそ感染して、発症してしまえば、
いろんなことを知ることができるだろう。
どんな症状に苦しむことになるのか、
どのような苦痛を味わうことになるのか、
どんな経過をたどって快復していくのか。
さらに、重症化して入院治療を受けることになれば、
どんな治療を受けることになるのか、
どんな薬を飲むことになるのか、
何を言われるのか、
何をされるのか、
何を不満に感じるか、
何がうれしいと感じるか、
何をしておけば良かったと後悔するか、
何をしておいて良かったと安堵するか、
いろいろ、知ることができるだろう。
今は何ひとつわからない。
感染して発症して生きて帰ってくることができたら
自分が体験したことを、全部、何もかも書いて
公開したい。
そうすれば少しは
わたしと同じように不安に思っている人が
それを読んだ時に「あ、そういう感じなのか」とか
思って安心できるかもしれない。
