BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『フラメンコ・フラメンコ』-200621。

原題:Flamenco, Flamenco
カルロス・サウラ監督
2012年、スペイン

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映像も舞踊も音楽もきれいだった。
こんなきれいなものが見られてなんだか幸せだった。

ただ踊りを見せるだけでなく
物語性があるのが良かった。

ヴィットリオ・ストラーロが撮影を担当しているそうだ。
カラフルでしっとりとして、ゆたかな陰影のある映像が
多分特長なんじゃないかと思う。だんだんわかってきた。

まだ12歳くらいなんじゃないかと思われる
バイラオールが踊っていた。ほんとにすごかった。
なんなんだあの子は・・・ もはや怖い・・・(笑)
決まった振り付けを、練習どおり踊って、
うまくできたね! とかそういうレベルではなかった。
自分が何をやっているか、何を表現したいのか
ちゃんとわかって踊っていることがはっきり伝わった。
もう完全に、ダンサーだった。
小柄なだけで、てっきり大人だと思って最初は観てた。
髪が長かったので女性かとも思ってた。
カメラが近づいた時に、少年だと気付いた。
有名な踊り手の家系の子なんだそうだ。
末恐ろしすぎる。

フラメンコとは舞踊の様式なだけではなくて
人の暮らしそのものでもあるのかな。
だから歳をとったらフラメンコが踊れなくなるとか
歌が歌えなくなるとかいうことではないんだと思った。
その年齢なり、その人なり、その時の感情なりの
フラメンコ、というものがあって、
ずっと踊って行くものなんだなと。