BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ』-200623。

原題:Sacromonte, los sabios de la tribu
チュス・グティエレス監督
チュス・グティエレス、クーロ・アルバイン共同脚本
2017年、スペイン

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www.youtube.com

スペインはアンダルシア地方の
サクロモンテ地区のフラメンコ文化を
紹介するドキュメンタリー映画だった。

芸術や文化についてのドキュメンタリーは、割と好きだ。
フラメンコのは特に、カッコイイから、
ドキュメンタリーだけでなくフィクションも好きだ。
数年おきに、自分のなかでちょっとしたブームが起こり、
バーッと何本も立て続けに観ることがある。
今ちょうど時期となっている。

わたしもフラメンコ踊れたらいいのになあ(笑)

『サクロモンテの丘』は今日が初めての鑑賞。 
興味深く観た。
フラメンコ版ブエナビスタ・ソシアルクラブ
みたいな感じを受け取った。

やっぱりフラメンコってただのカッコイイ踊り、
っていう感じじゃないんだな・・・
人の暮らしや感情そのものであり
その人の人生、その人の年齢、その人の境遇なりの
フラメンコ、というものを みんなが持っている。

1960年代以前のサクロモンテを知る人びとの
インタビューがおもしろかった。

みんなまあ、口が悪い悪い(笑)
じいさまもばあさまも、お下劣トーク炸裂(笑)

学校にろくに通えなくて今でも読み書きできないけど
踊って歌ってギターを弾いて、家計を助けていた、
4歳から見よう見まねでみんなフラメンコやってた、って。
誰も教えてくれなかったけど、見てぬすんだんだって。
平べったい石ころで自分でカスタネット作ったって。
「踊ってくれ」って言われたら、先に数百円くらい
お金払ってもらって、それでまず腹ごしらえをしないと、
いつも腹ペコで、とても踊れなかったって。

貧しかった時代の話なのに、
子どもの頃の思い出を振り返る時の
人びとの表情は、みんな、
夢を見ているかのように幸せそうだった。