BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『楊貴妃 Lady Of The Dynasty』-190203。

楊貴妃 Lady Of The Dynasty』
原題:王朝的女人・杨贵妃
チャン・イーモウ 、 ティエン・チュアンチュアン 、
シーチン 共同監督
2015年、日中韓

f:id:york8188:20190204005611j:plain

www.youtube.com


ファン・ビンビンはきれいだ。
映像も美しい。
お金がちゃんとかかった映画だった。
ただ 
これを観て喜ぶ人が だれなのかが
よくわからない映画だった。
喜ぶ人がわたしではないことは
すくなくとも確実だ。

連続ドラマかなにかでやったほうが
おもしろいんじゃないかなとはおもった。

よく考えると
楊貴妃のこと 
そんなにわかってなく
もとは玄宗皇帝の息子の妃だった、
ということも
この映画を観て知った。
あとで自分でネットで調べたりして
知識がちょっと 増えたのは
よかったとおもう。

第十八皇子・寿王の
苦悩についての描写は
人間らしくてよかった。
父親に嫁さんを奪われた形となったわけで、
そんなつらい目にあったら
どれほど傷つくことか、と思って
わたしは 彼のなりゆきを見守ってた。
寿王は楊貴妃を愛していたし、
ふたりの夫婦仲に問題はなかったように見えたので。
映画は、皇子の心情を良く追っていた。
皇子の負った心の傷の深さと、
だが自分の力でそれを克服していくさまを
(あまり尺を割かないまでも、)
映画は徹底的かつ長期的な視点で
いちおうきちんと見つめていた。
そこはすばらしかったとおもう。
愛の物語は、敗者の姿もきちんと描いてこそだ。

皇子がかわいそうで、同情した。

玄宗を演じたレオン・ライ
役が似合ってなかった。
孫文の義士団」のときの
イメージが強いからかな。
「どの面下げて」感がかなりあった。
恋に酔った男が
からしいことをまじめくさって語る姿が
こっけいに感じられて
ちょっと笑ってしまった。

玄宗の側近の宦官・高力士は
わたしは好きになれなかった。
長年 玄宗に仕えたので
彼とその一族には
じいや、といった感じで
とても慕われているようだったが。
何を考えているのか良くわからん男だった。

高力士はキリスト教に帰依したのかなあ。