BRILLIANT CORNERS-2

観た映画・読んだ本など関心ごとへの感想メインの、なんということのなさすぎる身辺雑記帳です。 少しずつ、いろいろ更新してまいります。 お気が向いたらお読みいただければさいわいです(^O^) ブログのタイトルは、セロニアス・モンクのアルバムから。「すみずみまで光り輝く」というような意味だそうで、なんとなくいいなとおもうもんで。

「暗くなるまで待って Wait Until Dark(1967)」。

きのう、
「暗くなるまで待って」
(原題:Wait Until Dark テレンス・ヤング監督、1967年、米)
という映画を観た。

movie.walkerplus.com







空港で見知らぬ女性から人形を手渡された男性。
わけのわからないままその人形を家に持ち帰る。
じつはこの人形の胴体にヘロインが縫い込まれてる。
男性は帰宅後、仕事でまた家をあけるが
彼の妻(目が見えない。)が留守番をしているあいだに、
「警察」や「夫の旧友」を名乗る人間が何度もおとずれては、
彼女を激しく困惑させる。
この訪問者たちは悪いやつで、
麻薬がぬいこまれた人形がこの家にあることを知っており、
人形をなんとか奪い返したがっている。
警察とか夫の友人とか名乗るのは嘘で、女性の目が見えないのを利用して、
ひとり何役もやって芝居をうっているのだ。

盲目の女性が、異常事態に恐怖しつつも、
危機にたちむかうという物語。


おもしろかった。なんなんだろう、この、いまのどんな映画とも違うかんじ。

もうこういう映画は作れないかねえ。

じっくり細かいところまで、観て楽しめる。
何度も観たくなる映画だ。



お金があまりかかってないとおもうけど
内容の豪華さ、深さにおなかいっぱい。
映画が終わったときはじめて、全身にすごい力が入っていたことにきづかされた。
集中していたんだろう。


オードリー・ヘップバーン、かわいい(T_T)
すこしやせすぎのようにもおもうが、
こんな魅力をもった人は、この人以外、
どこをさがしたっていなかったに違いない。
可愛いだけでなく演技もうまい人となれば、なおのことだったろう。



むかつく犯罪首謀者役の男もよかった。
この男以外の悪者どもは、悪い奴といってもスケールとしてはコモノだった。
彼らはものの考え方や感じ方が、まあわりと一般的なのだ。
だから、悪さをしなきゃいけない悪者なりの事情みたいなものが、
あるということくらいは、
想像できなくもなかった。

でも
この親玉だけは、
事情あって、悪さをせざるをえない、などというものではなく、
悪いことをするのがただ好きなのだ。
楽しんでいた。そこに理由などない。
脳みそがもう生まれつき腐っているかんじだ。

こういうマッドな悪者がひとりいると、サスペンスものの映画はおもしろくなる。





何度でも観て楽しめるおもしろさ。

空港で人形を男性におしつけた女性が、
いったいどのようなまずい状況に遭って
人形をみしらぬ男性に渡したりしたのか、
人形を渡す場面はあったのだが、どんな会話がかわされたかは、
セリフがなかったのでよくわからない。

そういう、こまかいいきさつの部分はそぎおとされていて
せいぜい会話のなかでちょっと説明される程度。

大事なのはただただ
「盲目の女性がたったひとりで危機にたちむかう」という
その部分にしぼりこまれていた。

舞台は2時間をとおしてほとんど1箇所、
女性が夫の帰りを待つ「家の中」だけ。

毎日をすごして慣れ親しんだ自宅で
見えないことを逆手にとって犯罪者たちから身をまもろうと
工夫する場面がよかった。


うーん 傑作。


こういっちゃなんだけど 考えようによっては、
いまの映画なんてほとんどがかすんで見えるくらいの、おもしろさだった。


もちろんこの時代には作れなかった映画がいまは作れるわけだし、
昔のものならなんでもいいかというとそうではないと思うのだけど。


「暗くなるまで待って」はおもしろい。


もし機会があったらみなさまもビデオとかでご覧になっておくんなさい。