BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想『海を飛ぶ夢』-240419。

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夜までヒマなので、映画観たいなーとおもったけど、映画館だと、都合のいい時間に観たい作品がなかったので、家でレンタルで観た。

 

若い時の事故で首から下が動かなくなり、家族のケアをうけて27年間暮らしてきた主人公。聡明で機智にとみ心優しい彼は、みんなに愛され友人も多く、体の不自由を抜きにすれば、それなりに充実した生活を送っているように見える。しかし、人の世話にならなければ生きられない人生への絶望は深く、彼は長年、苦しみ抜いてきた。尊厳死による魂の自由の獲得をもとめる主人公は、国を相手どり、自殺幇助罪の刑法改正の訴訟をおこすのだが・・・。アレハンドロ・アメナーバル監督、ハビエル・バルデム主演、2004年、🇪🇸
実話にもとづく物語。

 

モデルとなったラモン・サンペドロ氏の著書は、わたしも読んだことがある。その著書以外は世に出ることはなかったにしても、彼はすさまじく才能のある詩人であり、作家だった。長年つらい境遇にあっても、心はまったくすこやかだった。というか、健康で高次元な魂が、病んだ体のなかに閉じ込められていた、ということが、本を読むと、よくわかった。

 

涙出そうになった😢

ラモン氏の気持ちがすごくよく理解され、せいいっぱい反映されている映画だとおもった。すくなくとも、そうあろうと努力したことがわかる映画だった。シンプルで、真心にみち、美しかった。

 

涙出そうになった。

 

なんかもうほんとに切なくて。

 

「僕はなぜみんなのように自分の人生に満足することができないんだ」といって錯乱し号泣するシーンとか、ほんとに、みててつらかった。

 

ラモンを長年介護してきたお兄さんのところとかも、痛ましかった。死を望む弟になんとかおもいとどまってほしくて。でも、そんな気持ちをわかってくれず死にたい死にたいと訴える弟にイライラもするし。でも悲しくて。でも死ぬことが弟の本当の望みならかなえてやりたいとも思うし。でも悲しい。でも不器用でうまく伝えられない。感情があふれてしまいには心にもないことを言ってしまい、言ったそばから後悔して、でも「ごめん、こんなこと言いたいわけじゃなかったんだ」って言うこともできなくて、泣いちゃう。


やばかった。わたしまで泣きそうになった。

 

切ない・・・

 

ラモン・サンペドロ氏の魂は、自由を得たのかな。そうだったらいいなとおもう。