BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

230103。

ヘンリー・ダーガー 非現実を生きる』(小出由紀子 編著、平凡社)を読んだ。ヘンリー・ダーガーについては、もし興味があったらWikiとかで調べてみてほしい。

この人のことは知りたいとおもっていたので、彼についてどんな本が出ているか図書館などで調べたところ それほどさかんには研究がされておらず 少しは本が出ているけれども邦訳されているものはあまりないことがわかった。でも、すぐに借りられるものも数冊はあったので、そのなかから一番初歩的というか一般的な情報が得られそうで図版も多そうなこの本を手始めにかりてみた。

 

ヘンリー・ダーガー凄いわ。むしろ怖いわ。

 

いったいなんのために。ここまでして、どうして。誰にも秘密を明かさずに。小説の才能も絵の才能もないと自覚していた形跡があるにもかかわらず、生涯のほぼすべてをかけて。どうして。なんのために。

それが一番知りたいことだよ、結局。本当は、本人に話を聞いてみないとわからない。でも、ダーガーは誰にもなんにも話してくれないまま亡くなってしまった。

 

彼の作品を全部何回もくりかえし読んで一字一句そらんじるくらい頭に入れたとしても、わたしたちが一番知りたいことの答えは、そこにはない、のかもしれないなあ。