BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

221223。

ヘッセの『車輪の下』は 中学生くらいの時に読んだ。鮮烈な読書体験だった。けどやっぱりあまりよくわかってはいなくて、ハンスがかわいそうだなあとしか思ってなかった。いまは、ハンスの父親も、すごく気の毒だなあという気がする。ハンスが神学校に受かって、学校のみんなより1週間早く夏休みをもらうんだけど、お父さんが、頑張ったごほうびにけっこうなお小遣いをくれて、これで良いナイフでも買いなさい、○○につかっても良いだろう(なんだったか覚えてない)・・・みたいなことを、ぼそぼそいう場面があった。当時のドイツの男の子の夏は、木の枝とかで何か作ったり、釣りやら冒険ごっこやら、外遊びにナイフが必携って感じだった。お父さん、不器用で、頑張った息子に何をしてやればいいかわからないんだよねえ。でもこのシーンのハンスのうれしそうな表情は、文章でも見えるようだよ。お金もらって、ハンスはお店にすっとんでいって、すごく本格的な、良いナイフを買うんだよね。わたし、あのお小遣いの場面、車輪の下で一番すき。そして始まる、輝くような夏休みねえ。で、ラストシーンのお父さんねえ。お父さん、たまんないよねえ😭