『タリーと私の秘密の時間』という映画を配信で観た。
原題:Tully
ジェイソン・ライトマン監督
ディアブロ・コーディ脚本
2018年、米
ちょっと泣いてしまった。
頑張るお母さんの心を優しく包み込み、
お父さんのケツを力いっぱいぶったたく、
パワフルでハートフルな物語だった。
シャーリーズ・セロンが光ってた。
いやー、いいっすね。ラストシーンが特に良い。
そのあと夕方、出かけていって、映画館で
『ハウス・イン・ザ・フィールズ』というドキュメンタリー映画を観た。
原題:Tigmi Nigren
タラ・ハディド 監督、製作
2021年、モロッコ、カタール合作
モロッコの山奥で、数百年前からの伝統的な生活様式をほぼ変えずに
暮らしている少数民族、アマズィーグ。
そのある一家の1年間をみつめていく、という内容だった。
一家のお姉ちゃんが、このたびお嫁に行くことになるのだが、
その婚礼の場面が凄かった。
というのも、あまりに親密な距離感で撮影された映像であることに驚いた。
花嫁の、身の置き所のないような、不安そうな表情や、
集落をあげて夜通し繰り広げられる盛大な祝いの儀式などが、
ほんとうに生々しく、臨場感たっぷりにとらえられていた。
仮に、撮った人が、あの一家と血縁関係にある人とかだとしても、
それでもはたして、あんなところをあんな距離感で撮ることができたか、
わからないと思う。
集落の人たちがみんなでてくる。
こんなに人口の多いムラなのか、とおもった。
もしかしたら他のムラから人を借りたり雇ったりするのかもしれない。
声の良い長老みたいな人が祝歌を歌い、
女性たちがその返歌を歌い、
若衆が打楽器を演奏し、
少年少女が輪になって踊る。
みんなの着ている装束やアクセサリーも豪華だった。
レースや刺繍のところがさっぱりとしていて、
おろしたてのものらしいことがわかった。
何ヶ月も前から作っておくのだろうか。
普段の彼らの暮らしぶりや服装からは想像もつかないほどの品だった。
夜は、ガイ・リッチー監督の
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』を配信で観た。
原題:Lock, Stock and Two Smoking Barrels
ガイ・リッチー 監督・脚本
1998年、英・米
ガイ・リッチー監督はこういう映画を撮るのが得意だな。
英国の、うだつのあがらぬ若い労働者たちや、チンピラや、
犯罪者を主人公とする群像劇を、ほんとにずっと前から作ってるよな。
すごくそういうのが得意で、どれもちゃんとおもしろい。
何人も出てくるキャラクターたちが、誰一人としてムダじゃない。
全員、性格や役割を与えられてて映画のなかできちんと働いている。
相当ややこしいことをやってるのにどこかスッキリとした脚本で
観ていてとてもたのしい。
本当にうまいよな。音楽とかもカッコいいしさ。