BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

マトリックス-211230。

マトリックス』シリーズの第4作『マトリックス レザレクジョンズ』の公開が始まっているので、観に行きたいのだが、そのまえに前3作をもう一度観て復習しておきたいとも思う。ひとまず第1作『マトリックス』を観返してみた。おもしろかった。けど、毎回こう思うのだが、いったいこの映画の何がおもしろいと感じているのか、何回観ても、自分でもよくわからないのだ笑 いつ観ても、よくわからん物語だな~、と感じる。第1作にしてすでによくわからんので、当然のことながら『リローデッド』も『レボリューションズ』もよくわからん。リローデッドやレボリューションズを観たら第1作のわからなかったところが見えてきた、とかいうことも今まで一度もない。第1作を観てわからなかったところは、リローデッドを観てもわからないし、レボリューションズを観ると余計にわからなくなる。でも、マトリックスを観始めると、いつもきまって、物語の世界にぐいぐい引きこまれる。監督と脚本を担当したウォシャウスキー兄弟(のちに姉妹になったが)は、サイバーパンクカルチャーにあきらかに詳しい、どころか多分、完全にオタクだ。撮影技術にも映像表現にも世界観の構築にも、ふたりの監督の「オタク」が高度に濃厚に反映されているのがこの映画であることは、確かだと思う。わたしはサイバーパンクには関心がないけど、新しいなあ、自分が知らない世界だなあ、ということは肌で感じている。まずそこが、魅かれる所以なのだろう。しかも、そのようにサイバーパンクカルチャーのエッセンスが濃厚に注入されたバキバキの世界観の物語でありながら、人間ドラマの側面は、びっくりするほどシンプルで素朴、というのも、変わっているところだ。要するに結局は、ひとりの青年の成長物語なのだ。でもかといって、バカバカしいなあ・・・とおもうような、安っぽい成長物語には感じさせない。シンプルだけれどもとても根源的で哲学的な主題にふれていて、ついついネオと一緒にウーンと考えこんじゃうところがある。・・・結局、よくわからんのだけど、この作品がはらむ、奇妙なバランスが、すごく魅力的なものとして、自分には感じられるのかなと感じている。

わたしはモーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)が好きだなあ。