BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『ゴジラVSコング』-210823。

『少年の君』という映画と『ゴジラVSコング』という映画を観た。

 

※『少年の君』は、好きじゃない演出とかもあるにはあったけど、
すごく魅力的な映画だった。
もうすこし考えて、そのうちまた、感想が書ければ書いてみたい。

原題:Godzilla vs. Kong
アダム・ウィンガード 監督
エリック・ピアソン、マックス・ボレンスタイン 脚本
2021年、米

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ゴジラVSコング』は、内容らしい内容はないにひとしい映画だったが、
怪獣バトルの迫力は凄かった。
怪獣バトルが観られるんだから、それ以外のことはまあ別に良いのか・・・。
キングコングと心を通わせられる唯一の存在である、
ジアという少女を演じた子が、とても可愛らしかった。
わたしの従姉妹にちょっと似ていた。

キングコングは、表情がゆたかで、見ていると
何を考えているかとか、わかるので、おもしろかった。
いくらなんでも、意思疎通できすぎじゃないかなとは思ったけど。
考えてみれば、日本生まれのキャラクターであるゴジラと、
アメリカ生まれのキャラクターであるキングコングの、コラボ映画なんだな。
同じ時代の地球上に両方とも存在している、という世界観にもとづく
一種のサーガ、ということになるんだろう。

日本から、小栗旬さんが出演してたが、
たいした役回りではなく、セリフも140文字もなかったとおもうし、
つけられた演技も正直言って印象の良いものではなかった。
浅野忠信さんや真田広之さんや渡辺謙さんや菊地凛子さんが、
ハリウッドにおいて東洋人の役者としては破格の待遇をうけていることが、
こうしてみると残酷なほどよくわかった。
けど、その彼らも、ハリウッドデビューしたての時は、
たいして良い役をもらってなかったとおもう。
浅野忠信さんなんか、確か、わたし、彼が出てる映画を観て
マイティ・ソーか何かだったかな・・・)、
「こんな役なら、出ない方がまだ良かったのに」
とかおもったことを覚えている。
でも浅野忠信さんは、きっと英語力に磨きをかけて、
オーディションを頑張って、仕事を頑張って、
彼のエージェントも役者の売り込みを頑張って、
ずっと努力して、腐らなかったから、今の地位につけているのだろう。
小栗旬さんも、今後海外でやっていきたければ、
そうやって、積み重ねていくほかないのだろう。
腐らないことが大事なんだとおもう。
腐らないで努力すれば確実にスターになれるというほど
ハリウッドは甘い世界じゃないだろうが、でも
スターになれる人は必ず腐らないで努力しているのだとおもう。

まあ、にしても、作り手の側もいろいろな事情があるのだろう。
監督も大変だ。
キャスト全員、監督がみずから選ぶわけじゃもちろんないのだろうし、
「別に、こんな役、ほんとはなくても良いんだけどなあ」
とか内心思っていても、
大人の事情で出演させるよう上からごり押しされたキャストとかもいて、
そしたら見せ場もそれなりに作ってあげなきゃいけないし、とか、
いろいろあるのだろう。

現場では王様でいることができるとか、
なんでも好きほうだいにできるとか、そういうのが監督なのではなく、
絶えずうつろう非常に限定的な条件下で、
最大以上の結果をだすことを要求されつづけるのが監督なのだろう。
しかも監督ひとりの力ではどうしようもないような事情で、
映画の興行収入が落ち込んだとしても、言い訳はゆるされず、
すべての責任は、監督の名前の上にのしかかる。
当たり前のことだけど、キツいよな。