BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『ミッドウェイ』-201004。

原題:Midway
ローランド・エメリッヒ 監督
2019年、米

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www.youtube.com

先月観た。

ちゃんとおもしろかった。
戦闘シーンとか良かった。
ウディ・ハレルソン、本業は実は軍人なんじゃないかと思うほど
歴戦のそれっぽさ出てた。
浅野忠信山口多聞もちょっと人間的な感じで悪くなかった。
真珠湾奇襲の場面、正直言うとあまりに痛ましく思えて、泣いた。

そして
なんかこの映画、通奏低音的に妙~に冷めた感じがあり、
個人的にはそれが嫌いじゃないと言うか。

真珠湾奇襲の場面やハードなエアコンバットで
観る人の愛国心?みたいなものを煽っておいて
直後にそれに冷や水をぶっかける・・・的な
言わばマッチポンプ的演出がたびたび見られた。
(冷めた感じがあった、ってのは多分
そういうところを観て感じたんだと思う)。

1回だけだったら、監督の「天然」と判断しただろうけど
たびたび同じパターンが繰り返されたので、
意識してやったことなんだろうと今は思う。
どうせ「感動」したいんだろ?
愛国心」フィーバーしたいんだろ?
でも、残念だったね、そうはさせないよ!
ってことがやりたかったのかもしれない。
「太平洋戦争映画」という枠だと
人びとの心情とか複雑な問題もあるので
眼にみえない制約とか無数にありそうだ。けど
そのなかで今できる精一杯のチャレンジをした、
そんな映画だったかもと ちょっと思う

今は、この映画はあまり世間に受け入れられないんだろう。
ローランド・エメリッヒ監督の映画だぞって聞いて
わたしたちが期待する映画って、こういうのじゃないから(笑)
でも、いつかもっと年月を経た時に
この映画がまったく別の観点から
振り返られることがあるのではないかと思う。

「世界的に厳しい状況だった2019年~2020年に
 人びとの心の中にこういう動きがあって、
 その流れの中でこうした映画も作られました」
みたいな感じで。

今評価されないからと言ってダメな映画ということには
ならないと思う。
いつか再評価されることがあるかもしれない。

映画は「正しくなければならない」
ということはまったくない。
主張して良いし、偏見があって良いし、
ゴリゴリ押し付けてきてくれて良い。
(まあ押し付けられるとムカつくことは事実だが(笑))

「太平洋戦争映画」枠でも、
もっと誰も彼も世界を議論に巻き込みまくる
チャレンジングな映画が
出てきて良いんじゃないかなって思う。
今はまだちょっと、だめかもしれない。
でも、いつかは出てきて欲しい。
出て来るんじゃないかと思う。