BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『Vフォー・ヴェンデッタ』-201104。

原題:V for Vendetta
ジェームズ・マクティーグ 監督
ラナ・ウォシャウスキー、リリー・ウォシャウスキー 共同脚本
アラン・ムーアデヴィッド・ロイド 原作及びキャラクター考案
2006年、米・英・独合作

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適切な予告動画が見付けられなかった。

こういう、
グラフィックノベルベースで、ディストピア系の話
・・・というと、最近だとやっぱりわたしなんかは
『ジョーカー』(2019年)が記憶に新しすぎるのだが、
なんかあれに比べると、
この『Vフォー・ヴェンデッタ』は、
物語の世界で起こることをそんなに真剣に受け止める気に
なれない、そんな何かがあった(笑)
だが、これはこれで、とても楽しんで観た。

「V」が話す英国なまりの英語がカッコ良かった。

欲を言えば、もっとこの物語の世界を良く知りたかった。
アメリカ合衆国を植民地支配する
 ファシズム体制のイングランド
なんて、文字面だけ見てもワクワクする世界観だが、
仮にイングランドがこのような国家体制だと、
具体的にどういうことが起こるのかとか、
人びとのものの考え方が、どんな感じなのかとか、
いろいろと、もっともっと細かく映像で見てから、
本筋への導入を受けたかった、という気がする。
だが、実際には、
独裁者サトラーが終始ギャーギャーやかましい、というだけで、
あとはこれといって、眼につくような興味深い所がなく
なんかちょっと残念だった。

ヒューゴ・ウィーヴィングの前に
「V」を演じることになっていた役者さんがいたそうで、
撮影もすでに進んでいたそうなのだが、
「V」は、物語の最初から最後までずっと仮面を着けている役なので
役者さんが強いストレスを訴えるようになり、降板して、
最終的にウィーヴィングにお鉢が回ったという話を聞いた。
そりゃストレスもたまるだろうな。

ヒロインのイヴィーが、あるひどい仕打ちを受けて、
相手に怒りをぶつける場面があった。
ひどいことをされて怒るということは、
自分はもっと尊重されてしかるべきだと訴える、ということだ。
あんなにハッキリと怒りを表明して
「自分の大切さ」を主張するイヴィーを見て、
この人はなんて強い人なんだ、と思って、
うらやましかった。