BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想をおもに記録しています。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想「センチュリー・オブ・ザ・ドラゴン CENTURY OF THE DRAGON(1999)」-120527。

「センチュリー・オブ・ザ・ドラゴン」
(原題:CENTURY OF THE DRAGON 
クラレンス・フォク監督、1999年、香港)
を観た。

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www.allcinema.net


この映画のビデオテープの紹介文のところに
「香港ルノワールの傑作」
と、きっちり書かれていた。
それをいうなら「ノワール」だ。
ルノワールは・・・
それは印象派の画家の名前だろう。


まあまあおもしろかった。

90年代後半か2000年に
なったかならないかくらいのころの
作品のようだ。

ここにきてようやく、ようやく・・
「なにをやっているのか
物語がちゃんと理解できる香港映画」
に出会うことができた。

日本の、昔の「ハードボイルド・ドラマ」が、
まさに こんなかんじだったんじゃないか、
とおもったけれども、
わたしは「日本の昔のハードボイルド・ドラマ」を
そんなに知っているわけじゃないし、
というかそもそもハードボイルドってなに。
よく考えると知らない・・・

じゅうぶん新鮮で楽しかった。

香港の警察の、潜入捜査官が物語の主人公だ。
彼は潜入捜査で
ある有力なマフィアのメンバーとなり、
長年かけて、ボスの信用を勝ちとった。
ただ、ボスは数年前に足を洗っており、
いまや実業家として成功している。
ボスに接近することで情報と証拠をあつめて、
マフィアを一斉検挙する機会を
ねらっていた主人公なのだが、
長年行動をともにするうちに、
人格者のボスに情がうつってきていた。
今のボスは、もう犯罪にかかわっていない。
それなのに、
検挙のために彼を利用してしまっている。
そんな苦しい現実と葛藤し
警察の捜査方針を、疑問視している。

そんな折、ボスの身の回りで、
不穏な事件が頻発するようになる。
友好的な関係にあったべつの組織のトップが
何者かに襲撃され、
ボスがその首謀者として疑われる。
そのほか、家族が危険な目にあわされるなど、
マフィア稼業をすっぱりやめたつもりでも、
まわりがボスにそうさせてくれない。

やがて決定的なアクシデントがおこり、
激怒したボスは 以前の自分に立ち返り
自分と家族のしずかな生活をおびやかす
黒幕どもに復讐しようとする。

主人公は、
警官としても、ボスを敬愛する一個人としても、
この期に及んで彼に罪をおかさせたくない。
だが、
はやく検挙してしまいたくて焦っている、
あほな上司にふりまわされて・・

というようなストーリー。
おお・・
やればできるじゃないか。香港映画・・

潜入捜査官と、彼が取り入るボスとでは、
ボス(アンディ・ラウ)のほうが、
役柄として圧倒的に印象深かった。
知名度の高い俳優さんだけあって
ソフトのジャケットも
アンディ・ラウのセンチュリー・オブ・ザ・ドラゴン」
と表記されている。
潜入捜査官のほうもとてもよかったけど。
ふたりとも、もうちょっと
地べたをはいずりまわって
キレたり叫んだり、あわてふためいたりと 
激しい演技をしても
よかったんじゃないかとは、少し思った。
けど、かっこよかったので、そこはまあいい。

ボスの奥さんは賢く度胸があって
すてきな「姐さん」だったが
潜入捜査官の恋人のほうは
チャラくって、おつむも弱そうで
「なんでこんな人がいいんだろうな・・」
と正直おもった。
潜入捜査官の、男としての格が上がってみえる
女性をつけるべきじゃなかったろうか。
主人公なんだから。

そんなようなことは
すこしは気になったが
総じて力作。おもしろかった。

こういうのもいいなあ。
これからは武侠もの、アクションものじゃない
香港映画もちゃんと観るようにしよう。