BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

240305。

ネット上の、とあるマンガを読んで、なんかかなり、うわー、って気持ちになった。

主人公の女性は、まだ40にもならないうちに、愛する夫を病気で亡くし、幼い子どもをかかえて哀しみにくれていたが、そこへ生前の夫の不倫が発覚し、さらにショックを受ける。そんな主人公を支えたのは義父母。主人公は実母を早くになくし、実父とは長年疎遠という孤独な境遇にあり、それだけに、心優しい義父母を信頼し、育児面でのサポートも十分に受けながら仕事に復帰、心と暮らしを徐々に立て直していく。しかし、そんなある日、自分の哀しみややるせなさを誰よりも理解してくれているはずの義父母が、亡夫の不倫相手、そしてその子どもと、交流をもっていたことを知ってしまう。子どもの父親はまぎれもなく主人公の亡夫であり、彼の死の直後、妊娠が発覚していた。夫の生前の不貞が判明した段階で、主人公・義父母・不倫相手は話し合いの機会を持ち、互いに二度と関わらないと約束していた。にもかかわらず、不倫相手はその後、産んだ子をつれて義父母のもとを訪れ、義父母も死んだ息子の忘れ形見を追い返すことができず、息子の妻に後ろめたくおもいながらも、こっそり付き合いを続けていたという。主人公は、義父母に裏切られていたという思いに深く傷つき、彼らとの関わりを避けるようになる・・・。

 

つれぇよな。

 

主人公のことを第一に思いやって愛してくれる大人が、ひとりもいない。主人公には実兄がいて、疎遠な父の代わりのように、主人公を支えてくれてはいるのだが、その兄にも守るべき妻子があり、主人公のことだけを考えていられるわけではもちろんない。

自分を思いやってくれる人がいると信じていたのに、その人に裏切られていた。あると信じていたものが実はなかった、ってのは、最初からゼロだとわかってたっていうのよりも、なんだかつらいよな。人に嫌われるようなことを主人公がしてたってわけでもないのに。なんでこんなことになっちゃうんだろうな。主人公は、すごくみじめだとおもうよ。ときには人に顧みられたい、ときには一番に愛してもらいたい、大切にされたい、そうされないとみじめだ、と感じる気持ちは、大人になったからといって消えるものじゃないし。

 

こういうとき、どうすれば、また立ち上がって、前を向くことができるのだろう。主人公には子どもがいる。この子を育てなければ、守らなければという気持ちが、苦難のときに主人公を支えてくれる可能性は、あるかもしれない。

でも、主人公はそうだとしても、では、そういうのがまったくない人は? 主人公にとっての子どもとおなじような存在が、この世にまったく一人もいない人は?

 

それを考えると、すごくつらいよね。