BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

230312。

きのうアーティゾン美術館(中央区京橋。もとブリヂストン美術館。2年くらいまえに場所と名前が変わったらしい)に行ってきた。渋谷のワタリウム美術館にいこうかなーと直前までおもっていたのだが、渋谷は混んでそうなので、渋谷よりは混んでいなさそうなところでもう一度検討して、ここにした。結果的に、とてもたのしかった。入場料前売1200円で、本格的な企画展覧会を3つもみることができた。音声ガイドは無料で、美術館の公式アプリをインストールして、自分のスマホで聴くスタイルだった。パンフレットも無料配布で、図版がたっぷりはいってて、解説も充実してた。

3つの企画展覧会のなかで、わたしは『アートを楽しむ』と『画家の手紙』がおもしろかった。

モネの『黄昏、ヴェネツィア』が美しかった。あと、モネとアリス夫人の老夫妻が広場でハトとたわむれてる写真がかわいかった。ふたりとも、良く似たしわしわのお顔で、ハトの群れにたかられてニコニコしてて、幸福そうだった。ルオーの手紙の一文が公開されていた。大変な仕事を引き受けてしまって、「しんどいです。地獄です」的なことを、かなしそうにボヤいてて、悲壮感が伝わり、かわいそうだった。あと、カイユボットというアーティストを知れたのも収穫だった。今まで知らなかった。カイユボットは裕福な家の生まれだったらしく当時の上流家庭のステータスシンボルだったピアノ(エラール社製)が家にあって、それをカイユボットの弟が弾いているところを描いた絵が展示されてて、魅力的な絵だった。カイユボットは印象派の画家とみなされているようなのだが、あれって、印象派なのかなあ・・・なんかちがう気がしたが。わからない。でもとてもわたしがすきな感じの絵だったので、あとでミュージアムショップでこの絵の絵葉書を買った。ピアノの先生をしている友だちに送ろうとおもう。

あと、青木繁の『海の幸』をはじめてみることができたのもよかった。音声ガイドをきいたかぎりでは、青木繁はじっさいに自分でサメ漁をみてこの絵を描いたわけではなく、仲間が「きょう、海でサメ漁をみたんだよ! めちゃめちゃ凄かったよ!」と話してくれた内容をもとに、構想をふくらませてこの作品をかきあげたらしい。イメージの力、スゴイなあ。この絵をもとに、現代のアーティストが、絵に登場する人物たちのポージングを再現したセルフポートレートをつかい、データ合成などのさまざまな技術を駆使して制作した、「海の幸version 2.0」みたいな作品もあって、おもしろかった。

 

ほかにもいろいろ良い作品をみた。

 

あとでカイユボットの絵葉書と一緒にマティスの『ジャズ』のTシャツを買った。