BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

安藤忠雄展。

国立新美術館で、
安藤忠雄展をみた。

国立新美術館開館10周年 安藤忠雄展―挑戦―|企画展|展覧会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO

 

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自分は建築のことはまったくなにも わからない。
渋谷の松濤美術館を手がけた人とカンチガイしてた。
松濤美術館の設計は白井晟一という人みたいだ。)
友人が誘ってくれたので行ってきた。
※その友人も安藤忠雄のこと特別知ってるわけじゃなかったみたい(^^)

結果的には 行って正解だった。すごくおもしろかったし
山盛り もりだくさんの内容で 予備知識などなにもなくても楽しめた。

建築の美術展て、どうやってやるのかなと まずおもうよね・・。
手がけた建物を美術館に持ってくるわけにもいかないだろうし。
建築施工において、おそらくは、
プレゼンテーションや、施主への説明のために
何千分の一かのミニチュアの 完成模型を用意するようなのだが、
その完成模型が各セクションに多数展示されており、
また解説パネルのほかに、小型モニタで各作品の内外観の映像が
紹介されていて、みていてあきない展示構成。
じっくり全部ながめたところだいぶ疲れはしたが。
第1セクションを見るだけでざっと1時間はかかった気がする(^^)

コンクリート打ちっぱなしの スタイリッシュな外観の建物は
いまでこそわりと 頻繁に見かけるけれども、
あれが70年代初頭、ふつうに住宅街にぽこっとあったら
スタイリッシュどころのさわぎじゃなかったろう。
なんだなんだと思うわな。

安藤忠雄氏は海外でもおおいに活躍されている。
あるときは フランスで大きなプロジェクトの 国際コンペを勝ち抜き、
場所も決まってあとは着工するだけだったのに
いろんな事情で企画がたちきえになったことがあったそうだ。
しかし、そのコンペティションのとき知遇をえていた人物から
声がかかり、
イタリアはヴェネチアの街と 歴史的建築物をぜいたくに使う
一大アートコンプレックスを手がけるにいたった。
プンタ・デッラ・ドガーナという、昔の港湾管理施設かなにかの
建物を活用する現代美術館が目玉で、
巨大な完成模型がすごくかっこよくて見入ってしまった。
こういう模型ってたぶん3Dモデリングソフトで作ったのを
積層法か切削加工法で 形にしていくのかな・・・
ちっちゃなパーツをボンドとかでくみ上げていく
昔のプラモデルみたいなのとは ちがうとはいえ
あれだけ大きいと 作るの本当に大変だろうな。

でも2年くらいかけてでもいいから わたしも
プンタ・デッラ・ドガーナの模型作ってみたい(^^)
毎日ちょっとずつやれば できないことはないとおもうんだが(^^)

www.palazzograssi.it

 

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安藤忠雄展はほとんどの展示が 先述のとおり
文と動画による解説、模型だったのだが、
ひとつ 安藤氏の作品の原寸大レプリカが野外展示されていた。
大阪府茨木市 春日丘教会(通称「光の教会」)礼拝堂がそれ。

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正直なところわたしには、ああ、簡素だけど、たしかに美しいな
ということのほかには あんまり 心に響くものはなかったのだが
これはANDO作品のなかでも とくに有名なものみたいで、
じつにたくさんの人が 中に入って観ていた。
この 壁の十字架型の切り込みが意匠のすべてであり、
ほかには床にも壁にも天井にも
宗教的装飾がなんにもない、というのはおどろきだよね。
しかしながら、
外からながめると 
外壁のコンクリートの積み上げかたがザツにおもえて
しかたがなかった(^^)
あきらかにブロックとブロックの継ぎ目のところが
ズレてた(^^)
本物は もっとていねいに積まれていて
ザツさなど決してかんじさせないはずだ。
急ごしらえだからしかたがないのかな。


この2日後の土曜日に、
叔父の家を訪問したとき、
叔父は建築家なもんで、
安藤忠雄展を観に行ってきたと 水をむけてみたら
意外なほど目をかがやかせて食いついてきた。
「おまえ行ったのか! どうだった!??」。
気難しくて かなりおっかない人なんだけど
めずらしく話がもりあがって笑顔まで見られたので
それだけでも 安藤忠雄展行ってよかったなと 思っちゃったね。