BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-「春夏秋冬そして春 봄 여름 가을 겨울 그리고 봄 Spring Summer Fall Winter and Spring(2003)」-120817。

信州みやげに職場に買ってきた
りんごサブレみたいなものが
予想以上においしかった。

うすいサブレみたいなものの上に
本物のりんごの薄切り
(ドライフルーツ)がのっかってて
とても良い香りだし味もおいしい。

・・・

インターネットの
映画配信サービスで観た。

春夏秋冬そして春
原題:봄 여름 가을 겨울 그리고 봄
英題:Spring Summer Fall Winter and Spring
キム・ギドク監督
2003年、韓国・ドイツ

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movie.walkerplus.com


わたし個人の好き嫌いでいうと、
微妙なとこだが
良いか悪いかでいえば、
かなり良く感じた。
ありそうでない映画だったし、
優しい雰囲気の物語のようで、
じつはかなり容赦がなかった。

わたしはこの監督の作品を
本作以外には1本も観てないが、
もしかしたらもっとハードで
もっと強烈なのを撮っている
人なのかもしれない。
傾向としては
ラース・フォン・トリアーみたいな。
「そこまでやっちゃいますか」感が
かすかにトリアー作品と似ていた。

美しいのだが、
映画全体から
腐った果物のような
においがするところが、
個性的な映画だった。

湖にうかぶ、
小さなお堂でしずかにくらす、
老いたお坊様と、小坊主さん。

幼年期、青年期、壮年から中年へと、
ちいさなお弟子さんの成長を
四季折々の美しい映像とともに綴る・・

とか、
そんな、なまやさしいものでは
決してなかった。
じっさいにみれば、わかる。

ただ主人公の小坊主さんの顔が
変わりすぎだとおもった。
それだけは気になった。
年齢設定によって
役者を変えざるをえなかったのは
わかるのだが
骨格からして違いすぎた。
おもかげがないにもほどがある。

「春」の、小坊主さんのときは
とてもかわいい男の子だった。

「夏」では
がっしりした長身の 
高校生くらいの男の子に成長。

「秋」のチャプターのところは
香川照之をうんと二枚目にして
アンディ・ラウを小さじ一杯
垂らしたようなお顔で、
主人公の成長過程のなかで
一番イケメンだった。

「冬」から最後の
「春」にかけては
まさか監督自身・・・?

「冬」のチャプターに
あらわれた女性については
「えっ。なんで?どうして?おかしいな」と
映画を観終わってからも理解に苦しんだ。
かんたんなことかもしれなかったのだが、
思い込みから抜け出せなくて。
でも、印象深かったところも
そうでなかったところも含めて、
映画のいくつかのシーンを
何度か頭の中で再生していたら
1時間後くらいに気がついた。
あの人が誰だったかということに。

因果の鎖と人間の業。

たまらないものがあった。