BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

230310-3。

職場をでて駅にむかってると、お父さんとその小学校高学年くらいの息子さんとおそらく父方とおもわれるお祖父さんお祖母さんがいて、たぶんついさっきまで4人で食事をしてて、ここでお別れをしてる、って感じだった(レストランとかいっぱいあるエリアなので)。すぐそばに駅の改札に通じる階段があり、ギョッとしたというか耳に飛び込んできたのは、お祖母さんの「素直じゃないねえ・・・」という言葉と、苦笑いだった。そして、無言で孫に背中をむけて 駅に向かって歩き去る、お祖父さんの姿。それを見送りながらお父さんが、つないだ息子さんの手を強くふり、早口の、叫ぶかのような大きな声で「???(聞きとれなかった)しなくて本当に良いのか? おじいちゃんとおばあちゃんがお金を出してくれたおかげでお前は塾に通えたんだよ。なのにそんな顔をしてるなんて、・・・親不孝だよ!」と息子さんを叱りつけていた。大声だったのは、お祖父さんとお祖母さんに聞こえるようにだったのかもしれない。そうすれば息子さんがアクションをおこすまで立ち止まって待ってくれるかもしれないから。でも息子さんは体をかたくして、うつむいていた。お祖父さんとお祖母さんは振り返ることなく行ってしまった。

 

わたしはなぜだが父方に見えたんだけどもしかして母方だったのかなあ。

 

何があったのかわかんないけど、すごくギョッとしたやりとりだった。

でもなんか、あの男の子がもっと子どもらしくむじゃきに「じいじ、ばあば、僕を塾に通わせてくれてありがとう(おかげで志望校に合格できました、的な?)!!!」というような態度をしめすことを お父さんもお祖母さんも期待していた、それはまちがいないんだろうなとおもう。

 

でも、我が子の塾の費用とかは本来、親がいるならば、まあ親が出すものじゃないのか。

なのに祖父母の援助をうけたというのならば、「???(聞こえなかった)」をするべきなのはまずお父さんであり、それをしなくて「親不孝」なのも、まずお父さんでは。言葉のあやなのはわかってるけど、あの男の子にとって、じいじとばあばは「親」じゃないし。

お父さんちょっとひどくないか?

 

公衆の面前で親にあんなふうにいわれておばあちゃんにまで「素直じゃないねえ」なんていわれて おじいちゃんは振り返りもせずにプイッと帰っちゃって あんなの あの子、傷ついただろうなあ。しかもなぜ傷ついたか、なぜお父さんのいうようにできなかったのか、なぜこんなにもかなしいのか、あの子は、自分で自分の気持ちを説明できないと思う、今はまだ。そしてそのことを、あの子の周りの大人たちは、たぶんひとりとして、わかってはくれないのだ。

あの子すごくたまらない気持ちになったとおもうよ。

 

ほんとは塾に通いたいとも別に思ってなかったんだったりして。

 

 

心の痛みが一生残らないといいけどな。

 

わたしの心はとりあえず痛んだわ。

ああいう、すごくどうしようもないことってあるよね。子どもだからどうしようもない、っていうことが。

 

でも、なんの事情があったのか、結局ほんとうのところは何もわからない。