例えば、「サッカーのセンス」とは、身体能力の話をしているので遺伝もあると思うのですが、「表現のセンス」は遺伝ではありません。
(中略)
どうやって勉強したらいいの? という話の前に、「勉強すればセンスは身に付く」ということから話は始まります。極端に言えば、美術出版社から出ている『カラー版 西洋美術史』という西洋美術の本や、『カラー版 日本美術史』という本があるので、そこに載っている人物を1ページ目から最後まで全部覚えるだけでも、相当センスがよくなると思うんです。
(中略)
今の美術教育というものはそれくらい「書く教育」とか「作る教育」に終始してしまっているんです。書くことや作ることは最後の手段なので、そこの前に知識の集積をしなくてはならないのに、英語で例えるなら「ABC」や「This is a pen.」も知らないうちに、いきなり英語で小説を書きなさい、というくらいハードルが高いことを教えているわけです。
だからこそ、まずは美術への誤解を解くというところからスタートになります。欧米では、哲学からもデザインや美意識を学ぶようです。哲学とは人の生き死ににまつわるものなので、「どう生きてどう死ぬか」「死ぬまでに何をするか」ということ自体が美意識である、と考えているからです。「美しく生きたい」と思うようになると、例えば茶道や華道でもやってみようかとなり、どんどん関心の幅が広がっていくはずです。美術は、意外に身近なところから学ぶことができるのです。
六本木未来大学 講義録1
『0→1を生み出す発想の極意」より
発想とはセンスで
センスとは天から降りてくるもので
理論ではどうにもならない、だから
わたしにはできなくても
しかたないんだと
思おうとしていた。
バカか、
しっかりしろ、と
頭をひっぱたかれたような
感じさえする