BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

手記-其の拾捌(仮題)-20171211AM-2~20171211PM

2017年12月11日(月曜日)
午前 出社前 
NPO法人POSSE 労働組合総合サポートユニオンさん 
面談 初回(都内事務所)。

総合サポートユニオンの組合員おふたりのことは
以後 Sさん M子さん
または ユニオンのおふたり、と呼ばせていただく。

退職後傷病手当金の受給条件を確実に満たした状態で
退職したいと考える自分にとって
退職日(離職票に記載される、書類上の退職日)は
非常に重要だった。
会社に退職の意向をつたえたときにうけた、会社のリアクションでは、
その部分が不明瞭だったため、心配であった。
ユニオンのおふたりに相談したところ
おそらく 書類上の退職日は2018年1月20日と思われる、
やはり 会社ともう一度話して明確にしておいたほうがいいと言われた。

やっぱりそうだよなーと 考えがかたまったところですこし安心し
相談をさらにつめていった。

わたしの場合は 
働けなくなった原因が病気である
(辞めたあとすぐ働けるような状況ではない)
未払いの残業代がかなりあるとみられること
おそらくその請求が可能である
さらに
今回の問題の背景に およそひと月にわたった
上司による度を越した叱責、つるしあげがあった

働く人が、労働のことでこまったとき、相談できるおもな窓口として
労働基準監督署
労働審判
労働組合員となって団体交渉をおこす
の3つが考えられるが

①は無料であり、公的機関のため動いてくれれば会社にとって相当な
 プレッシャーとなるものの 
 そう簡単に動いてはくれず、ハラスメントの相談は管轄外
②はきわめて迅速(原則3回!)かつ比較的安価に終わるが、
 小規模でも裁判であるから、証拠監査が厳密であり、
 しかも勝てる保証はない。
 勝てない(得られるリターンが支出をしたまわる)試算の場合
 代理人側が「これは損なだけだからやめたほうがよい」と
 言ってくることもある。
 また、未払い賃金の請求など 額の算出に必要な証拠資料が揃えやすい
 案件の訴えには向いているいっぽう、ハラスメントなどの
 デリケートな問題、証拠審査がむずかしい問題には
 「3回で解決」という原則のある労働審判は、向かない。
・・・
これらの理由から、

・ハラスメントを含め労働まわりの問題はなんでも対応してくれる
・労基署や労働審判では通らないかもしれない微妙な証拠資料でも
 交渉次第でじゅうぶん有利にはたらかせられる
・あきらめなければ勝てる可能性が高い
③の道を選び取った。

会社を相手取り、
・未払いの残業代の請求
・激務要因の急病、入院→退職であるため賃金保
+のちに、上司のパワーハラスメントについての
 謝罪の要求と慰謝料の請求
これらの要求をまとめて行っていくことに 決定。

ユニオンのSさんは、ホワイトボードに今後の交渉フローを
書き出していきながら、
「われわれも未払い賃金と賃金保障もろもろひっくるめた
 フルコースバージョンは ひさしぶりにやります(^^)」
と笑っておられた。

ところで、
わたしもこうなるまで知らなかったんだけれど・・・、

労働組合って、会社のなかで結成されているもので、
賃金上げろ!みたいなことで 春になるとワーワーやってる的な
みんなでおそろいのハチマキつけて・・・的な
そういうイメージがなんとなくないだろうか。
実際には、もちろん会社のなかで結成されている労働組合
たくさんあるが、
こうして どこの企業にも属さない団体もある。
べつにハチマキとかしめてない(^^)
1人でも、入会できる。

・・・
このように 団体交渉申し入れの方向がきまったところで、
ユニオンのおふたりは
次回の打ち合わせまでに、
会社に送る団体交渉申し入れのための書類をそろえておいてくれること
わたしがこの日 持参した雇用契約書や給与明細をもとに
未払いの残業代の試算をだしておいてくれること
を約束してくれた。

わたしは、
やはりいまのところは退職届などの書面はいっさいださずに
(つまり いずれ辞めるけれど手続き上は宙にうかせておく)
集められるだけ証拠を集めて 出社をとりやめること・・・
わたしにいま集められる証拠とは
・取れれば、パソコンのログ
・出社とりやめまでの今後幾日かぶんのタイムカード
就業規則

ほんとうは、上司にうけた叱責の内容がわかるような
日記や業務日報、録音データなどがあればなお可。
M子さんからは、
「いまからでも、ボイスレコーダーを1日中、オンにしておいた
ほうがいいですよ。いつなにを言われるかわからないので」
と言われた。
だが、先述してきたとおり、
上司のストレスやイライラの原因となっていた
仕事は、わたしが復帰したころにはちょうど終わっていた。
そのため、さいわいわたしは まえのようにひどく 
どやされることは いっさいなくなっていた。
彼の怒声の録音をとったりすることは
たぶんないだろうな、とおもった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2017年12月11日(月曜日)
午後 出社

この日、専務に就業規則書のありかなどを教わり、
コピーをとらせてもらおうと考えていたが、
専務は終日外出とのことで、話すことができなかった。

ついでに、
またそれかい!というかんじなのだが
仕事がいそがしい!!!
同僚や上司は 専務から
わたしを早く帰らせるようにときつくいわれているようで、
やれ 定刻に帰れ、いま帰れ、すぐ帰れと
内線で言ってくるのだが、
帰れるわけないだろこれで!
わたしが終わらなかったとき
かわりにできる者がいないだろ!

そんなわけで、きっちり最後まで勤務。
しかし、定刻前30分間、なんとか時間をつくり、
私物を完全に撤去。
ポータブルハードディスクにバックアップをとった状態でメールを全削除。
パソコンのログ抽出にトライ(「ターミナル」相当の無料ツールを
ネット上でさがしてみたが 海外製でマニュアルも不十分なようす、
今日中の作業完了は断念)
タイムカードを携帯電話のカメラで撮影。
で、退社した。

奇妙なほどきれいに片付いてしまったわたしのデスクをみて
隣の席のデザイナーさんは
「あれ、でも、まだ退職じゃないんでしょ?
ずいぶんきれいになっちゃったね」。
「ちょっときれいにしようとおもったら
大掃除になっちゃいました(^^)」
・・・
大丈夫だ、うそは言っていない(^^)

出社とりやめは、明日だ。

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帰りの電車を待っているとき、
わたしの教育係を担当してくれた女性の先輩と 居合わせた。
彼女には、うちあけた。
わたし
「あしたをもって、会社に来るのをやめようとおもいます。
いろいろ考えたんだけど、この会社、かなりおかしい。
ほんとはこういう・・・きれいじゃない辞めかたは
したくないんだけれど、
正直言って 身の危険を感じてる。
どこまでできるかわからないけど、自分なりに戦って、
受け取ってしかるべきものを 受け取る権利だけは
回復させたい。」

先輩
「当然だね。倒れたんだからね、なんていったって。
でも、残業代の請求だけはムリだとおもうな。
請求するつもりならの話だけど。」

わたし
「・・・
あさってから、ふっつりこなくなるから、
〇〇くんとか△△さんの仕事、わたし、できないから、
いろいろ迷惑かけますけど、
データ収集とか、いまの段階ですませられることは、
ぜんぶ終わらせてから消えますから。
わるいけど、しばらく わたしと会社のみんなとの
陰の窓口になってください。申し送りをしますから。」

先輩
「安心してフェイドアウトしていいよ。
わたしもさ、今回のことで、会社のクソなところ
再確認したから。もうほんと、辞めたいって気持ちしかない。
春までに、辞めるわ」
「っていうかわたし、専務がだいっきらいなんだよね。
もう顔もみたくないよ。Yちゃんは、部屋が別だから
聞いてなくてよかったとおもうけど、
あいつは、ほんとにYちゃんが入院してるあいだずっと
Yちゃんが休んでいることの悪口をいっていたし、
いまでも言ってるよ、なにかと。」

わたし
「でも、先輩辞めるっていったら ぜったいものすごく
慰留されますよ。引き留め作戦とかにでてくるかも。」

先輩
「いいんだよ。そうしたら、『あ、そういうことするんですか~
だったら なおさら辞めまーす』っていって、退職届たたきつけて
辞めてきちゃえばいいんだからさ(^^)」
「まあわたしは健康だから病気とかぜんぜんしなかったし、
残業代とかもすくなくともここ2年は 請求するほどないしね(^^)!」

わたし
「先輩は、『神童』だもんね(^^)」
※この先輩は入社当初から能力の高さをみとめられ
 「神童」と称されたという 逸話の持ち主だ。

先輩
「そうだよ、『神童』(^^)。」

・・・
わたしはこの女性の先輩と 
プライベートでも親交があるからわかるのだが
このように、わりと「言うこと言うし、やることやる」タイプに見えて、
じっさいはわたしなんかより ずっと「気にしい」であるし、
とても「女の子っぽい」ところがある人だ。
たとえば ひとりでお店にはいって食事をするみたいなことがいっさいできず、
周囲になにか理不尽なことをいわれたとき、言い返すという発想もない。
ストレスの許容量がわたしなどよりずっとあるのか、はたまた
自分に合ったストレス発散の手法をしっている(ゲームとか!)
からなのか、ちょっとよくわからないが、
わたしは彼女が けっこう繊細で、
気が優しく、妙なところでもろくもあることを知っている。
上記のように 強気っぽいことを言っていても、
内心 わたしを気遣って いろいろと
がまんしてくれるつもりなんだということくらいは、感じた。



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同日、夜。
東京近郊でG夫妻とまちあわせて、
きょうのユニオンさんでの初回面談の結果を
報告した。
すでに 自分にできることはさだまってきており
この件にかんしての話はそこそこに
3人で夕食をたのしんで、おわかれした。

たしかこのときも、おくさんに
「Yちゃんは、起こっていることの内容や
想像できる心の状態からかんがみても
元気すぎる」
と指摘された。
本来もっとがっくりまいっていてもおかしくないのに
テンションが高すぎるということだ。
わたしもちょっと、そういうかんじはしていた。
しかしながら、自分ではどうすることもできない。
そのうち、がくんと「落ちる」ときがくる、ということですね・・・
と不安がるわたしに
「そうだけど、でも大丈夫。わかっていれば、対処できるし、
ああ、くるべきものがきたんだなと、思うだけだから」、
といって、笑ってくれた。