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BRILLIANT CORNERS-2

観た映画・読んだ本など関心ごとへの感想メインの、なんということのなさすぎる身辺雑記帳です。 少しずつ、いろいろ更新してまいります。 お気が向いたらお読みいただければさいわいです(^O^) ブログのタイトルは、セロニアス・モンクのアルバムから。「すみずみまで光り輝く」というような意味だそうで、なんとなくいいなとおもうもんで。

「萌の朱雀(1997)」。

今日はそこそこで仕事を切り上げて、早めに帰った。

だいたいいつもは、今日できることを明日に回すという姿勢ではいない。
なぜなら明日は明日でまた新しい仕事がうまれるから
今日の用は今日終わらせるようにしているんだが

たまに疲れてたり調子悪かったりすると
ま、いっかとおもって。帰る。







萌の朱雀」(もえのすざく河瀬直美監督、1997年、日本)
を観た。

movie.walkerplus.com



この映画が好きだ。
夏になると決まって、観たくなる。


映画の舞台も真夏で、しかも奈良の、山村なので、
体感温度が現実と変わらなくて映画を観ててもずっと、蒸し暑いのだが。

でも夏になると観たくなる。

これはほんとに、なんというか、
いい映画だ。

観る度に なにか、新しいことをおもう。


ストーリーは、ないようで、ある。

過疎化が進む奈良のちいさな村
そこに住まう、とある家族の物語。
村に鉄道を新設する計画があり、
過疎化に歯止めをかけ村の活性化をはかるきっかけになる、と
期待されていたが
この計画は中止においこまれる。

一家の当主がこの工事に従事していたが、計画の中止がきまり、
彼は仕事をうしなって、無気力な毎日をおくるようになる。

当主の姉は、息子の栄介をこの家におきざりにし、出奔してひさしい。

現在は栄介が、町の旅館で働き、一家の家計をささえている。

当主の妻は、収入の足しにと、甥の栄介とおなじ旅館に働きにでることにする。

栄介は彼女にひそかに想いをよせ、体が弱い彼女を心配し なにくれとなくかばう。

当主の娘、みちるは中学生。いとこにあたる栄介をひそかに恋している。
みちるは母に嫉妬する。

当主の老いた母(みちると栄介の祖母)は心優しいおしゅうとめさんで、
孫のことも嫁のことも、我が子同然にいとおしがり、しずかに家を守っている。


やり方によってはいくらでも、昼ドラ的にできそうなプロットだ。

でもこの家族には、そういうかんじのことは、なにもおこらない。


とても微妙な、あってないようなつながりで、
けれども確固たるなにかをもって、
この人たちは家族だ。




演技といっていいのかどうか
演技を超えたなにものかを、役者さんたちがみせてくれる。
たまらんものがある。



みちるを演じている尾野真千子さんは、
河瀬直美監督にみいだされてこの映画で主演デビューしたという。

いまも女優さんとして活躍してる。
NHKの連続テレビ小説カーネーション」や
「Mother」という民放のドラマ(たしか、幼い娘に暴力をふるうお母さん役だった)
に出てたはずだ。
観なかったけど。





わたしはこの映画がすきだ。

人間は、なみうつ情念を
こういうふうに胸の内に抱いたり
抱いていることをたまにはちょっと忘れたり
言葉にならない想いをひとりで見つめて苦しい涙をながしたり

なんか、こういうふうに生きてるよなあっておもう。



なにも押しつけがましく伝えようとしてないようにみえるのに、
まぎれもなくなにかを訴えてくるのは
この映画のどこがどうだからなんだろう。


もっとギュウギュウおしつけてくるような映画でも
なにも感じないときは感じない。




すごくおすすめだ。


ものすごく蒸し暑い、暴力的なまでに晴れた休日の、16時半くらい。
冷房をとめて、部屋の窓をあけて、電気を消して、自然光。

畳のうえにでも、ぐだーんと寝っ転がり
麦茶かなんか飲みながら

観てほしい映画。