BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『鍵泥棒のメソッド』-120924。

内田けんじ監督
2012年、日本

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おもしろかった。

監督によるオリジナル脚本。

せまいせまい世界のなかで起こる、
地味でちいさな、事件の顛末。

日本製には日本製の
良さがあるというか。
地味な邦画なら
どんなものでも良いかというと
そうじゃないんだけど。

物語の最初のほうから、
ちょっとした伏線が
いくつもちりばめられていて、
それらがきちんとあとになって
回収されていくのがよかった。
たいしたアレではないにせよ。

堺雅人
性格が悪くて怠け者でダメ人間で、
観ていてじつにいらいらした。
広末涼子がかわいかった。
地味でよかった。

香川照之がすきだ。
二枚目でもなんでもないし、
スタイルがいいわけでも
背が高いわけでもないのだが
なにをやってもうまい。
忘れられなくなる。
この映画で彼が演じたのは
頭を打って記憶を失くした男。
自分が誰なのかを思い出すために
ノートにいろんなことを書き付けていくのだが
手書きの文字が美しくて驚いた。
すこしのクセが魅力的だった。
本人の筆跡なのか、
確かめられなかったが
あんな字を書く殿方が
身近にあらわれたら、わたしは惚れる。

記憶をなくしているあいだの
自信のなさそうなかんじと
記憶を取り戻してからのかんじと
変化のつけかたが、すばらしい。
目の力が違った。

本作に登場したキャラクターたちは
みんな、ある意味で役者なのだ。
ということに気づいたとき、
「凝ってるなあ」
と感嘆。
人間だれしも 
人生というパーソナルな舞台の
主役である、とよくいわれるが、
かならずしもそういうことではなくて
この映画では、みんな、役者なのだ。
ご覧になればわかるとおもう。

すごーく地味な作品なのでDVDでどうぞ。

広末涼子はほんとうにカワイかった。