BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『あの頃』-210221。

この2日間はフラッシュバックが起こることもなく
幸運にも元気に過ごせた。

花粉症の症状が先週くらいから出てきている。
大したことはないが、くしゃみと、目のかゆみ、
喉の中のかゆみが少し気になる。
布マスクでは心許ないので、50枚箱入りの不織布マスクを買ってきて、
使うようになった。

 

このところフラッシュバックが頻発していたので、
またいつ調子が悪くなるかと思うとイヤになってしまい、
家に引きこもりがちだったが、昨日は外に出た。
散歩をして、公園で本を読んで、映画館に行って、映画を観た。

 

映画は『あの頃。』というのを観た。

今泉力哉 監督
冨永昌敬 脚本
原作 劔樹人『あの頃。男子かしまし物語』
2020年、日本

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www.youtube.com


15年くらい前の大阪を舞台とする物語だった。
モーニング娘。とかの、ハロープロジェクトのアイドルが
すごく人気あった頃だ。
あるフリーターの青年が、うだつの上がらぬ暮らしのなか、
アイドルの松浦亜弥ちゃんに突如として夢中になる。
ハロプロのアイドルを応援する同好の士らとともに
「推し活」ライフを謳歌する青年だが、
やがて仲間たちはみんな、「推し活」以外の大事なものを見出していき、
それぞれの道を歩み始める。
かつての濃密だった「第二の青春時代」を、主人公が回想する、
という形式の物語だった。

 

主役のツルギは松坂桃李さんで、共演としては、
オタ仲間のなかでも特にアクの強いコイズミというキャラクターを、
仲野太賀さんが演じていた。

映画としては、しょうもない、としか言いようのない出来だった。
今泉力哉監督作品と言えば、去年か一昨年『愛がなんだ』を観た。
あれは本当に素晴らしかったのに・・・。
なぜ今作は、こんな出来になってしまったんだろう。

けど、良いところもなくはなかった。
特に、序盤に良いシーンがあった。
ツルギが、初めて松浦亜弥ちゃんのDVDを観て、
涙するシーン。あれはグッときた。
そのMVは『桃色片想い』で、普通の時だったら全然、
聴いて泣くような曲じゃないと思うのだが、
なんか、このツルギの時のように、急にストン!と、
ハマっちゃう時って、あるよなあと思った。
何もかもうまくいかなくて、弱りきっている時にふと、
音楽とか、言葉とかが、するっと入り込んできて、
心に暖かい火を灯してくれることが、あるよなあ、と。
そういう瞬間を、この場面はとらえていて、良かった気がした。

あと、オタ仲間たちが、アパートの狭い部屋で、
みんなでライブDVDとかを観てる場面とかも、良かった。
それぞれ、お気に入りの子とかが違っていても、
お互いの好みを否定したりせず受け入れて、楽しく語り合って、
そうやって何時間でも過ごしていられるらしい感じが、良かった。

また、コイズミ役の仲野太賀さんが印象的だった。
仲野太賀さん最近良く映画で観るなあ。
とても良い役者さんだなあ。
イケメン枠とかじゃないと思うけど、
絶対これからずっと活躍していける役者さんになるだろうなあ。

映画としてはどうしようもなかったが、良いところもあったから、
観るんじゃなかった・・・とか思ったわけじゃなかった。