吉岡忍さんのノンフィクションは
文章がうまくて、取材がとてもていねいなことも伝わってきて、読んでいてたのしい。
あした歯医者さんに行かなきゃいけない。
暮れに、右の上の犬歯のつめものが取れた。
右の上の犬歯は、生え替わらないで残った子どもの歯で、
年月のなかでちょっと欠けたりしたのを
つめものしてもらって温存してきた。
そのつめものが取れてしまったので、
歯医者さんに行かなくてはと思っていた。
つめものが取れたところから虫歯になったりするし、
そもそも弱い子どもの歯なので何かの拍子に折れちゃったりしたら大変だ。
でも勇気がなくてなかなか歯医者さんに行けないでいた。
そこへ、会社から、歯医者にいって歯周病検診をうけて領収証をもらってくるようにと指示があった。助成金の申請に必要とのことだった。
これで、歯医者さんにいかなきゃならない、より強制力のある理由ができたので、内心ほっとした部分はあった。
だけどやっぱり歯医者さんはイヤだ涙
でももう明日だからしょうがない。
勇気をふりしぼって行ってくる。
歯医者さんに行くのがイヤすぎて
絶望感が半端じゃない。
いっそ落ちるとこまで落ちよう、絶望のそのさきまでいこうとおもったのか
旧約聖書のダニエル書という黙示録的なパートを
一心不乱に読み耽るという
よくわからない絶望のしかたをしてしまった。
ヨハネ黙示録はいつ読んでもいまのところ「ヤバイ」「なんか怖い」というくらいのことしかわからず、皆目入ってこないが
ダニエル書は、全体の構成が、ちょっとミステリアスだが驚異的なまでに整っていて美しく、モダンな感じさえするということがわかるようになってきたのと
ダニエルたち強く賢い青年たちの活躍が物語的にもおもしろいので
旧約のなかでも、好きで、よく読み返している。
おもしろい本は世の中にいっぱいあるが
飽きるとか、わかったからもういいや、とかいうことがなく、
いつでも何度でもどこからでも読める・・・という意味では
極論、手元には、聖書一冊持っていれば、あとはいいんじゃないかなとおもうこともある。
わたしはクリスチャンではないのだが。