BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『アンナ・カレニナ(1935年)』-201118。

原題:Anna Karenina
クラレンス・ブラウン 監督
クレメンス・デーン、ザルカ・ヴィアテル、S・N・バーマン 脚本
レフ・トルストイ 原作
1935年、米

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原作とはかなり違う感じの話になっていたが
1時間半で短く良くまとまっていたような気がする。

宴席で軍人たちが合唱する所や
強い酒の飲み比べをする所や
ダンスパーティーの場面などなど
あきらかにムダだが華やかな
ちょっとミュージカルっぽい場面が盛り込まれているのも
この時代らしい感じがして観ていておもしろい。

どのバージョンの『アンナ・カレーニナ』でも
キティはいつもとっても初々しくて カワイイ。

やっぱりもうちょっと
アンナがブロンスキーに魅かれていくことの
背景(夫との仲が冷え切っている、など)を
しっかり描いておいて欲しかったような気がする。
映画のなかの「恋愛」を観ると決まって思うことなのだが
「その恋が燃え上がらずにはいられなかった理由」
みたいなものがまったくわからない
(あるいは「全然納得できない」)ことが非常に多い。
なんで好きになったのかなーとか 
なにが良くて駆け落ちまでするのかなーとか
はたで見てても全然わからないのだ。
この映画でも全然わからなかった。
原作を読んだことがあるので、
そのへん、一応理屈としては知っているのだが
理屈とかそういうことではなくて 
ふたりが強くひかれあってしまう必然というか・・・
そこがわかるように描いてくれる恋愛映画って
ないのかなーと思う。
もしくは「理由とかわかんないけどとにかく好き」
なんだなと、納得がいくように描写して欲しい、というか。

かたっくるしくてクソ真面目なカレーニン役を演じた
ベイジル・ラズボーンはとても良いと思った。
レーニンの性格を良く演じている気がした。

終盤のあの有名な列車のシーンはとても良かった。
グレタ・ガルボに釘付けだった。

グレタ・ガルボは芸能界を引退した1941年の段階で
確かまだ35歳だったはずで
この『アンナ・カレニナ』は1935年だから
ということは 29歳とか30歳とかだったのか、
この映画の時。
もっと年上のお姉さんに見える。
大人っぽすぎないだろうか。

なんだか氷のような 美しさだよなと思う。

それに、どこか、心ここにあらず的な感じを受ける。