BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』-200712。

原題:Maudie
アシュリング・ウォルシュ 監督
2016年、カナダ

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カナダの画家モード・ルイス(1903年~1970年)と
彼女の夫 エヴェレット・ルイスを描く伝記映画。
夫婦の心の通い合いや 感情のうつりかわりが
小さな表情の変化や動作によって
こまやかに表現されていて、 
素朴だけど丁寧に作られている映画だと感じた。

あのちっちゃなおうちの 静かな暮らしを 
このままずっとながめていたいというか・・・
終わって欲しくない、という気持ちにさせられた。

モードを演じたサリー・ホーキンス
エヴェレットを演じたイーサン・ホーク
本当に素晴らしかった。

エヴェレットがモードを殴ってしまうシーンが
あったのだが
あの時を境に ふたりの関係性が
大きく変化したことがはっきりと感じ取れた。

モードがエヴェレットの言うことを
はいはい、そうですね、と聞いているようで
最終的にはなんとなく自分の要求が通るように
じょうずに夫を「操縦」しているのが可愛かった(笑)
玄関のドアに網戸をつける、つけないの所とか。

エヴェレットが看板を片付けるしぐさと
二人が出会うきっかけとなった
家政婦募集の貼り紙を見つける所が 感動的だった。

サリー・ホーキンスはこの映画のために
イラストレーションの技法を特訓したそうで
モードが家の壁とかに絵を描いていくシーンが
ちゃんと再現されていて 観ていておもしろかった。

あの 白ネコちゃんの絵とか 
黒ネコちゃんが3匹並んでる絵とか
港の絵とか 良いよなあと思う。

最近 観に行ったグループ展の展示作品に、
今思えば ちょっとモード・ルイスを思わせるタッチの
作品があったことを思い出した。