BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

アニメ『ヴィンランド・サガ』第7話-190820。

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vinlandsaga.jp

ああ。トルフィンが荒んでいく。

ノルド語の通訳の男が
上官が話すフランク語をそっくりそのまま
完全コピーで伝えていたのがおかしかった。
日本語のアニメであるから
フランク語もノルド語ももちろん全部
日本語で表現されるのだが
(『ドリフターズ』みたいに
 新しい言語体系をわざわざ作って
  声優に覚えさせてしゃべらせて
 日本語の字幕をつけて放送するというような
 けったいなことをやるアニメもたまにはあるみたいだが)
例えば上官がフランク語
「あの川は急で、我々さえも手を焼いているくらいなので
 まさか敵がそこから攻めてくるはずはない」
と話せば、
通訳はトルフィンにそのまま
「あの川は急で、我々さえも手を焼いているくらいなので
 まさか敵がそこから攻めてくるはずはない」
と伝えるのだ。
こんなこと、おかしいと思う。
別の言葉なんだから。全く同じ表現はできない。
「敵は川からはこない、流れが急だからありえないと
 彼は言っている」
その程度にしておけば必要十分だし、自然だったと思う。
すべて日本語で表現しているだけに
完全コピーはさすがに不自然に聞こえすぎた。
何もまったく同じことを言わせなくても良いのに。
芸が感じられず、ちょっとがっかり。

アシェラッドの誓いの立て方は、

「全能の神オーディンの名において~」
「全能のオーディンの名にかけて~」

「我が祖アルトリウスの名にかけて」
「アルトリウスの名において」

大きく2つに分かれるな。

トールズの決闘の申し込みに応じたときは
オーディンの名にかけて」、
事前に交わした約束を、反故にした。
ビョルンが起こした事態を収拾するために、
やむをえなかった部分もあったように見受けたが。

だが、トールズの遺言を聞き届けたときには改めて
「アルトリウスの名にかけて」、速やかに兵を引く
と約束し、その通りにした。

きっと、本当に約束を守る気がある時、
やり遂げようとすることがある時には
母方の先祖、アルトリウスに誓うのだろう。
父方の信仰の対象であるオーディンではなく。

自分のルーツは母方の高貴な血筋にこそあるのだ、と
アシェラッドは考えているんだと思う。
すごく複雑で、難しい人物だ。