BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

きょういちにち。-190724。

体調がだいぶましになった。
少し眠れたので、その分少し元気になった。
一日中、蒸し暑くてそれにはかなりまいった。
昼から、実家がある街に行って、
友人の家を訪ねた。
もうすぐ1歳になる女の子のママだ。
手料理をごちそうになった。
赤ちゃんは日に日にかわいらしく、
女の子らしく、人間らしくなる。
何度も会っているので、
わたしの顔を覚えてくれたようだ。
ソファに腰かけて、ヒザをたたき、
「ここ来るか?」と言ってみたら、
ニコニコして、ヒザによじのぼってきた。
かわいいぜ~。
だっこしても泣かなくなったし。
うれしい。

そのあと、近所にある、いきつけのお店で
とある公立高校の国語科非常勤講師
K先生と待ち合わせをした。
K先生は、今年の3月をもって、
定年で勇退されたそうだが、
すぐに非常勤でいまの高校に迎えられ、
週数回、教壇に立たれている。
聞くところによると、
時に外部の各界の専門家を招いたり、
時に校外学習を行ったり・・・と
生徒たちの体験と実践に重きを置いた
ユニークな発展学習を授業に取り入れていて
若手の先生たちや、校長・教頭先生までも
教室に授業を見学しにくることがあるそうだ。

わたしは、K先生の教え子ではない。
授業風景を見せてもらったこともない。
先生とは、今日待ち合わせをしたこのお店で
純然たるプライベートのときに
たまたまお近づきになることができて、
以来、仲良くしてもらっている。

今日は、お茶を飲みながらお話をした。

この3月に定年ということだから、
還暦は迎えられているのだろうけど、
先生は、すごくシャキッとしていて、カッコイイ。
なんといっても声が、ものすごく若々しくて・・・
ハリを保っている。
これは、まだ、お知り合いになったばかりのときのことだが、
用事があって、K先生と電話で話したことがあった。
わたし、電話番号は交換してあったのだが、
うっかり、携帯電話の電話帳にK先生の番号を
登録するのを忘れてた。
そこへ先生から電話がかかってきた。
電話帳未登録であるから、
携帯の画面に、K先生の名前が表示されない。
といっても、ちょうどその時間帯に
先生と電話で話すお約束をしていたので、
まあ、多分K先生だろうなと思って、出てみた。
でも、電話のむこうから聞こえる声の主が
K先生なのかどうかわからなくて、
わたしは内心、軽くパニックを起こした。
話していることの内容は確かに先生なのだが、
声が、とにかくあまりにもお若いのだ。
ご本人じゃなくて、息子さんか誰かが
代わりに話しているのかなと、本気で錯覚した。
それでなんだかあわてちゃって、
わたしのリアクションは
本当におかしなものになってしまった。

K先生は、立ち居振る舞いもシャキッとしているし、
それに、なんというのかな・・・
好奇心とか向上心とかそういうの・・・
今よりもまだもっと授業を良くできるぞ!
生徒たちのためにもっとこういうことをしてみたい!
みたいな、意欲的なことにつながるパワーを、
とにかく全身から放っている。
いつも楽しそうに笑顔で
今度こういうことをやろうと思っているんです、
この前、生徒がこんなことを言ってきたんですよ、
生徒にこういうおもしろい子がいてね・・・
まったくうちの男子高校生どもはこうこうでねえ・・・
そんな話をニコニコしながらたくさん聞かせてくれる。
話しぶりによどみというものがまったくないのも驚きだ。
教育のプロって、こういう風に仕上がるものなんだな、って
いつも感嘆しきりだし、
・・・わたしは、K先生と話していると正直なところ
自分がはずかしくなる。
先生の半分しか生きてない。年だけは若い。
そのわりになんてわたしは無気力なんだろう。
はたしてわたしは、K先生の半分でも
あれをやってみたいとか、もっとこうできるとか
高めること、向上すること、発展させること
意欲みたいなことを何かに注いでいるのか
何かに意欲をもって取り組んだことがあったか。
答えは明白だ。
NOだ。
わたしには、意欲が乏しい。

先生みたいな大人になれたらなあと
つくづく思うものだ。
わたしもそういう風に 年下の子に思ってもらえる
大人になりたい・・・。
ああいうふうにだけはなりたくないと
悪い お手本になるのはイヤだな。

わたしの周囲には、カッコイイ先輩が多い。
わたしが勝手に憧れてるだけじゃない。
その先輩たちはわたしと直接関わってくれている。
いつも見ていてくれる。
わたしは先輩たちをお手本にできている。
すごくラッキーなことなんじゃないかなと思う。
先輩たちは、このように思わせてくれる。
「このおねえさんが数歩先を歩いてくれてるから大丈夫」
「このおにいさんみたいな大人だったらわたしもなりたい」
「こういう生き方もあるって、教えてくれた」
「何もできなくても良いから生きていろ、と言ってくれた」
おかげで わたしは
すくなくとも年を重ねることがそんなに怖くない。
すごく惰弱で、つまんない人間だけれども、
それでも自分の二本の足で、立っていられている。