BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』-190610。

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society
神山健治監督
2011年、日本

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www.youtube.com

映画だと思って観ていたけど、
テレビ放送の長編アニメなのかな?
でも、3Dで劇場公開もされたらしいね。スゴイ!

夕べ、『イノセンス』を観たあとで、
ふとんにくるまって、本作を観た。

おもしろかったな~
イノセンスの方が 自分はハマったけれども
本作も十分楽しめた。

1回観ただけでは難しくってついていけなかったが
2回、3回くらいで ちょっとはわかったかな。

というのも「ソリッドステートシステム」と、
シアク共和国の特殊工作員13人の自殺の、
関係がよくわかんなくなっちゃった。
終盤で明かされた「ソリッドステートシステム」の
秘密については、理解できたんだけど、
そのころには「シアク共和国」が どっか行っちゃってた、
わたしの頭のなかで。
傀儡廻し」が、特殊工作員の頭を乗っ取り、
自殺するように仕向けていたということらしい。
でもカゲルは自殺までしなくても良かったんじゃないかと
わたしなんかは思うんだけど、どうだろう。


プロトに至ってはなんでああする必要があったのか。

草薙素子/クロマが、
自分のセーフハウスに通じるエレベーターホールで
コシキタテアキとすれ違った。
あれは???
草薙素子がやっぱり傀儡廻しと深くかかわっていて
利用していた・・・みたいなことを考えてしまうのだが。
でも、素子は、そうじゃないって言ってる・・・

コシキタテアキは、
事件の真相が暴かれたときからさかのぼって
2年前にはもう死亡していたそうだ。
素子たちの前で自殺したあのコシキタテアキは
お人形だったことになる。
2年間、コシキタテアキを装って
ソリッドステートシステムのことをやっていたのは
誰だったんだろう。

「誰だったんだろう」。
目に見えて手で触れる、実体をもった存在を、想定した時点で
もう自分が正しい答えにたどり着けなくなるように
自分でしてしまっているのかもしれない。

「これほど身勝手な正義感を持ち合わせている人間は
お前の記憶の中にもそうはいないはずだ。
今までに多くの意思と並列化をしてきたんだ。
集団的深層無意識が、一人歩きし始めてもおかしくはない。
これでソリッドステートは完成する。
われわれは消滅する媒介者となって、
次のソサエティに介入していこう」

このコシキタテアキのセリフを解釈するのに
もっと的確な専門用語などがあったとしても
それを残念ながらわたしは知らないが
「ネット上を飛び交っている人の意思や個性のなかでも、
とくに強烈で、しかもハッキリしたものと結びついて
あたかも一個の意思と実体を持つ人間であるかのように
動き出したのが、コシキタテアキの死後」
といったことだろうか。
ネットにおける、素子の個性が強烈だったから
俺はそれを見つけて結びついたんだ、とまでは
彼は明言しなかったけれども、
将来的に、自分が何かの事情で
ソリッドステートシステムの管理から離れても
システムが問題なく稼働し続けるよう、
永久機関として完成させたかった、
的なことを言っていたしなあ・・・

ネット上を飛び交っている人の意思や個性 と
わたしはいとも簡単に言いくさったな。
つまり、さわれて、温かい、肉体のようなものの中から
完全に離れたように見える場所にも、
人の意思、個性と、認めるべきものがあると
わたしは思っているんだろう。
というか間違いなく思ってる。
思ってなかったら、ブログなんか書いていない。
ということは 
人とは、アイデンティティーとは、命とは、
魂とは、ゴーストとは何なのか。
ということに、やっぱりなる。

わたしは、ハリウッド実写版の
『ゴーストインザシェル』が
人のアイデンティティーを認めていないとまでは
思わない。むしろ頑固なまでに認めていると思う。
そこまで認めなくてもいいんじゃないのくらい認めている。
でも認めているということを
自覚していないとでも言うべきか、
それとも深く考えてないとでも言うのか、
この程度でいいだろうと、読みをいい加減なとこで止めたのか、

なんか、「認知している」割には
筋の通らない描き方をしてた。

う、うまく言えない・・・
苦しい・・・
つまり・・・ つまりそうだな・・・
映画の『ネバーエンディングストーリー
みたいな仕上がりになっちゃってたとわたしは思うんだ。

ああ・・・映画のことを喩えるのに
映画を引き合いに出してしまった・・・恥ずかしい・・・

・・・

長い間『スタンドアローンコンプレックス』しか知らなかったけど 
最近『攻殻機動隊』シリーズの、広がりかたが理解できてきた。
クトゥルー神話』や『機動戦士ガンダム』のようなものだ。
ゴジラ』も入れてもいいかもしれない。
攻殻機動隊』の世界観に基づいて
原作のエピソードとエピソードを組み合わせたり
一部採ったり、広げたりしながら
いろんな人がいろんな『攻殻機動隊』を作ってる、
という感じのようだ。

まーでも 結局
わたしは神山健治監督版の
スタンドアローンコンプレックス』が
一番なじめるように思う。
草薙素子の性格や見た目、
スタンドアローンコンプレックス』の
ときのが、一番好きだ。
あと、茅葺総理の声が『HELLSING』のインテグラ
同じで、大好き。あの声って、素晴らしい。
わたしもそんなによく知っているわけじゃないが・・・
聞き覚えのある女性の声優さんでは誰よりも好きかも。