BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』-180917。

ネタバレというほどのことは
書いていませんが
公開中の映画の内容に
ふれています。








『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』
原題:Mamma Mia! Here We Go Again
オル・パーカー監督
2018年、米

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わかってて観たようなところはあったが
やっぱり予想したとおり
こういうのはぜんぜん趣味じゃない。

正直な感想をいえば
からしくて
ミュージカルという
スタイルでなかったら
観られたものではなかった。
大学の先生が
踊り出したときには正直引いた。

ただ、さすがに
ブロードウェイミュージカルの
名作だけあり
聴いて、観て、ふつうにたのしい。
役者さんはみんな
意欲的に演じていたし、
舞台となるギリシャ
美しい景色に心癒され
はなやかな音楽には
しぜんに体がゆれた。


ミディアムテンポの音楽がおおく
歌もダンスもいまいち
もりあがらないのはたぶん
ドナがもういない、という
設定だからだとおもう


若き日のドナを演じた
リリー・ジェームズ
いきいきとしてかわいい。


ソフィ役のアマンダ・サイフリッド
眼がおおきくて素敵な美人だった。
日焼け対策がおいつなかったのか、
腕がただれたように灼けちゃってて、
アップだと気の毒なものがあった。
ギリシャなのに雪のように色白でも
それはそれでおかしいが。


アポロニアのくだりはよかった。


ハリー(だったっけ?)が
ドナとはじめて出会ったときには
言葉がほとんどできなかったのに
その日ふたりで食事にでかけたときには
もうぺらぺらしゃべっていたのが
奇妙。


ドナの大学時代からの親友のうち、
黒髪つやつやおかっぱ頭のほうは、
いちいちセリフやリアクションが
おもしろかった。
「セックスアンドザシティ」の
サマンサとなんとなく近い。
お眼鏡にかなう男性とめぐりあい、
彼を見た瞬間
「奥さんもう亡くなってるかしら」
とつぶやいたのがゆかい。
わたしこの人すきだなー。

もしこの映画が
シリアスな恋愛ものならば
彼女みたいなのはしんどい役回りだ。
くさってもしかたのない境遇で、
みかけよりずっと孤独な人だとおもう。
だけど決してめげないし、
あくまでも自分は自分、
立ち位置をよくわかっている。
それになにより、
つらいこともふくめて
生きることをたのしんでいる。
それでなくてもこの物語には
会話に長ける切れ者キャラが
あんまりいない。
みんな、困ったらとりあえず
歌うか踊るかすればいいと
おもっているところがある笑。
彼女のように地に足ついた、
大人のユーモアがわかる人が
メロディをつけずにしっかりと
しゃべってくれるだけで
ほっとするものがあった。


シェールの声は
一度聴いたら忘れられないなあ。
ああいう歌声は貴重だよね。


まあ
自分が単にすきじゃないというだけで
だめな映画でもわるい映画でも
けっしてない。
こういうのがすきなかたはぜひ。