BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』-161127。

原題:Jack Reacher: Never Go Back
エドワード・ズウィック監督
2016年、米

f:id:york8188:20190313225404j:plain

www.youtube.com

目新しさや斬新さは、
ストーリー的にも映像的にも
まったくなかったような気がするが
トム・クルーズ
「スターってのはこういうことさ!」な
文句のつけようのない
かっこよさが最高。
何歳になってもトムはスター。
彼自身の熱意と意欲が
ひしひしとつたわってきた。
1シーン1シーン 
手をぬかないところが
トムのいいところ。

ジャック・リーチャーの元同僚
ターナーを演じた
コビー・スマルダーズ
知的な美しさがすてきだった。
強くてかっこよかった。

ジャック・リーチャーの娘かもしれない
ティーンエイジャーの
女の子を演じた子は、
さいしょははっきりいって
「かわいくないなこの子」。
クロエ・グレース・モレッツ
オファーを断られたのかなあ」
とか思いながら見ていたし、
「ぽっちゃり」というにはちょっと
あごのあたりなどが
ふっくらしすぎじゃないか?
とか余計なことを
いろいろ感じてた。
ふつうこういうときは
とびっきりのカワイイ子を
連れてくるもんかなとおもうから。
でも、みていくうちに、
ああこの子じゃないとだめだった、と
つくづく思わされるようになった。
物語の中盤あたり、
ジャックとターナーと3人で
ホテルに滞在するシーンで、
買い物から帰ってきたジャックから
「おなかぺこぺこ!」と
うれしそうにファストフードの袋を
うばいとるやいなや、
彼の鼻先でおもいっきり
部屋のドアを閉め
ターナーとの女子トークを再開する
・・・というあれをみたときには
「この子最高!」と感じた。
あのドアの閉め方の
容赦のなさとか 勢いのよさ、
堂々と無神経なかんじが
彼女じゃないとダメ感が
すごくあってよかった。
トム相手にあれができるのは
たいしたものだとおもう。
ラストになるともう
「また会いたーい!!」って
ジャックよりもわたしが
叫びたい気持ちになっていた。
いい子をみつけてくるよ 
ほんと、こういうのの
キャスティングをする人ってのは。
キャスティングって、
どういう技能なんだろう。
スゴイとおもうわ。

トム・クルーズがお父さん
(今回はお父さんかもしれない、だが)
を演じたのをみたのは
宇宙戦争』以来かとおもうが、
あのときも 子どもは「娘」だった。
トム自身に娘がいるからかもしれないが。
お父さん役じゃないときとは、
やっぱり表情が全然ちがう。
いい顔をしていたとおもうよ。

ラスト数分はつい泣けた。
女の子の表情が
かわいくていじらしくて、
もうたまらなかった。
ジャックの不器用な態度も
ほんとうのお父さんのよう。
去っていく女の子の後姿は、
早足できびきびとしていた。
きっとすてきな大人の女性に
成長していくんだろうなと
おもえる 決然としたようすだった。

コビー・スマルダーズが演じた軍人女性が
身の潔白が証明されて
仕事に復帰したときの後姿も
おもえば凛としてかっこよかった。

この物語は、
ジャックのかっこよさよりも、
女性のしなやかさと強さとを
描き出そうとしたものだった
のかもしれないね。