BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『お嬢さん』-210929。

原題:아가씨
英題:The Handmaiden
監督:パク・チャヌク
脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク
原作:サラ・ウォーターズ『荊の城』
2016年、韓国

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獰猛なまでに美しい映画だった。
完全にやられた。
目を離すことができなかった。
取って喰われるかと思った。

女こそわかる映画なんじゃないだろうか。

原作小説もさっそく読もうとおもって図書館で予約した。

この映画を作った人の心の自由さと、
恐れを知らないところを、本当に尊敬するなあ。
みんなに理解してもらえる閾値最大にして最適のかたちを選んで
おのれの狂気を解放しているところに尋常でない天才性を感じる。

映画の感想-『Summer of 85』-210921。

『Summer of 85』を観た。
原題:Été 85
監督・脚本 フランソワ・オゾン
原作 エイダン・チェンバーズ『おれの墓で踊れ』

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80年代が舞台の物語だからなのか、
映像や色彩が80sっぽく、鮮やかで、
ちょっとペタっとしてて、優しくて、生々しかった。

フランスの海辺の街に家族で引っ越してきてまもない、16歳の少年。
ある夏の日、彼は地元の年上の青年と出会い、恋に落ちる。
少年にとってはこれがはじめての恋で、
彼は愛し愛されることの幸せに酔いしれる。
しかし、ある女性が現れたことによって、ふたりの関係に亀裂が生じ、
それはやがて思ってもみなかった形で、永遠の別れへとつながってしまう。

ラブストーリーと思って観ていたら、厳密にはそうではなかった。
単にラブストーリーとして観たとしたら、
よくある、どこまでも凡庸な、ふるくさい物語にすぎなかった。

たしかに、主人公の身になってみれば、
これは恋の痛みの思い出にほかならないのだろうし、
彼はこの夏のできごとをふりかえるたびに、
恋人との日々を懐かしみ、それが永遠に失われてしまったことを、哀しむに違いない。

でも、この物語は若い男の子のカップルの恋物語、ではなかった。

まだ、主人公は子どもだった。
学校に守られている。
親に守られている。
法律に守られている。
恋を知らない。
初対面のマダムに風呂場で世話を焼かれ、
パンツをおろされても、何も言えない。
海にでれば、ヨットもまともに操縦できず、
遭難しかけて、人に助けてもらわなくちゃならない始末だ。
そんな子どもだった彼が、ひと夏の恋をとおして、
傷付きながらも、大きく成長を遂げていく。
今まではどんなこともまわりの人に導いてもらって、やってきた。
選択のしかたを教わらなければ自分がすることを決められなかった。
でも、彼は、この物語の最後には、
みずから声をかけて親しくなった友だちを、
みずから操るヨットに乗せて、海にこぎ出した。

この映画は、ある少年が成長していくことの、可憐な「もがき」の物語だったんだと思う。

ヤッチくん昇侍さん忍さんおめでと-210919。

RIZIN30が終わった。

 

応援してる選手たちが、どの人もひどいケガをしなかったことに、
すごくほっとした。

矢地祐介選手、昇侍選手、太田忍選手が勝利してうれしかった。

試合後の選手たちの声は、まだ、公式の試合後インタビューでしか聞けてないけど、YouTubeチャンネルとかのプライベートな雰囲気のなかで、
また話が聞けるのを楽しみにしている。

 

昇侍選手の試合については、対戦相手の鈴木千裕選手にも注目してた。
鈴木千裕選手は、ミャンマーラウェイの渡慶次幸平選手と
同じジムに所属しているので、ちょっとまえに顔を覚えて、
過去の試合の動画をみて、うわーなんだこの人、元気な選手だなー! とおもい、大好きになっていた。
だから昇侍選手と対戦が決まってわたしとしては気持ちは複雑だった。
昇侍選手も鈴木選手も勝って欲しかった。
片方が勝てば片方が負けるので、いっそ戦って欲しくないくらいだった。
でもふたりの試合が観られると決まった日から今日まで、
楽しみで楽しみでしょうがなかった涙
ふくざつ涙

鈴木千裕さんは22歳と、とても若い。
まえに総合格闘技をやっていたことがあるそうだが、
近年はキックボクシングに軸足を置いており、
今日がRIZINデビューだった。
まだまだまだまだこれからなんだとおもう。
絶対に強くなってまたRIZINに戻ってくるだろう。
すごく格闘技にひたむきな人っぽいから、
今頃、尋常でなく落ち込んでいるかもしれない。
落ち込んでいる鈴木選手をみるのは、つらいなあ涙 
そういうのは見たくないよ涙 元気出してまた戻ってきてほしい。
でもでもでもでも、
昇侍さんの勝利はやっぱりうれしいなあ。
ひとまわり以上も歳の離れた選手のRIZINデビュー戦の相手として、
自分に白羽の矢が立ったことの意味を、良くわかっていたに違いない。
勝敗が決まるの早かった・・・
むちゃくちゃカッコ良かったなあ。

ヤッチくんの試合はまだ最後まできちんと観ていない。ドキドキしてしまって。でもヤッチくんが判定で勝利したことだけはニュースで確認した。ヤッチくんと戦った武田選手、目をケガしてた。
痛そうに見えた。早く良くなるといいな。 

 

太田忍選手はレスリングを得意としている人だけあり、とにかくテイクダウンがうますぎた。相手を床に押さえつけさえしたらもう絶対に負けはしない、と本人もわかっていたのだとおもう。試合は寝技主体、最初から最後までずっと太田選手のペースとなった。相手の久保選手がちょっとでも前傾っぽい姿勢になったらテイクダウン、押さえつけうごけなくしてブレイク、何回おなじことをやっても全然息が上がってこなくて、力もおとろえなくて、いったいなんなんだこの人は、と思った笑 ぎゃくに久保選手は打撃が得意な人だから、太田選手もふいに打撃をくらうことだけはずっと警戒が必要だったはずで、たぶんみためよりも神経をすりへらしていたのだろうけど。足腰が強く疲れ知らず。精神も強靭。どういう鍛え方をしたらあんなふうになるんだろ。

 

 


楽しかったけど心が千々に乱れた一日だった。
仕事とかやらなくちゃいけないこともあったのに、
試合が気になっちゃってどうしようもなかった。

けど、なんか、彼らが頑張ってるように、
わたしもわたしの持ち場で、
わたしのことを頑張ろうという気持ちにもなった。
そんなわけで明日からはわたしも頑張ろうとおもう笑

ぎっくり腰がなおる。-210916。

ぎっくり腰が治った。先週の日曜日の午前くらいに、急に痛みが消えた。ストレッチもすごく痛かったのに、痛まなくなった。筋トレをいつものメニューに戻すことができた。しばらくできなかったからとてもつらい。汗だくになる。来週あたりから晴れる日が多くなるようなので、ジョギングも再開したい。

 

怪談ながら聴き-210914。

最近 「怖い話」の語り音声を、
YouTubeなどで「ながら聴き」するようになっている。

変なことを言うようかもしれないけど、なんか、
「怖い話」の語りって、聴いてると、気持ちが落ち着くようなのだ。
語り手によってはとても声が良くて、聴いていて耳に心地よい。

ときどきは、聴いてたら本当に怖くなってしまって、
落ち着くどころじゃないこともあるけど、
たいていはそこまでのことはなく、眠る前に聴いたとしても、
引きずられて怖い夢を見たりとかは、今まで一度もない。

怖い話にもいろいろジャンルがあるようで、
わたしが好んで聴いているのは「実話怪談」と言われているもののようだ。
といっても、実話怪談の定義を、わたしは正しくわかってるわけでも
教わったわけでもないのだが、
わたしの印象では、実話怪談は、
「むかしむかしあるところに、・・・だったそうな」形式をとらない。
「友人の○○さんが3年前の体験を話してくれたんですが、」
「わたしの母の体験なんだけど、」といったふうに、
自分が直接知っている人や会ったことのある人から聞いた話、
という体裁で語られる怪談、そんなかんじがある。
実話怪談では、「幽霊との遭遇体験」を語るものがおおいが、
それともいいきれないような、
「いったいあれってなんだったんだ」みたいな話、
あるいは、その話自体がいったいなんなんだ、
どう受け止めれば良いのかわからない、みたいな話もあり多彩だ。

わたしがおもうに、実話怪談は、
むかしむかしあるところに形式よりも、どこか生々しい。
段階的に、まだ伝説にもウワサにもなりきっていない話特有の、
いびつさ? 変に整ってないことが、良さのような気がする。

コミュニティ放送局の馬鹿力。-210914。

自分の自治体のコミュニティ放送局の深夜ラジオが 意外なほど素敵な曲かけてる。きいてると気持ちがほっとする。ビリー・ホリデイとかきけると思ってなかった。アプリだけ入れて、じっさいにきいたことなかったのだが、これからは夜疲れている時はきいてみようと思った。