BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

ウディ・アレン強化期間『マンハッタン』『カイロの紫のバラ』『スターダスト・メモリー』『ハンナとその姉妹』-191207。

ウディ・アレン監督作品は多数あり
観ても観ても、なかなか尽きない。

予定しているものをすべて鑑賞しても
消化度は彼の全作品中80%いくか、いかないかだと思う。
せっかくだからコンプリートしたいのだが まだまだだ。

文学作品でも映画でもなんでも、
ある人が手がけた全部の作品を読んだり観たり、ってのは
やるとなると けっこう大変だ。
発表順に、となると、もっと大変。
成し遂げられたことがわたしはほとんどない。
ちゃんとやったつもりでもきっと穴がある。


『マンハッタン』
Manhattan
1979年

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メリル・ストリープがもし出演していなかったら
79年の映画だなんてとても信じられない。
古い感じがまったくしない映画だった。
ダイアン・キートンがとても良かった。
トレイシーが、一番若いのに一番大人でむしろ女神だった。
みんな本当に身勝手だ、人間ってのはまったく。





カイロの紫のバラ
The Purple Rose of Cairo
1988年

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ミア・ファロー演じるヒロインがとてもかわいらしいのと
彼女のダメ夫に虫唾が走る。最悪だ。
当時の女性たちはあんな風に夫に子ども扱いされ、
メイド扱いされ、夜には娼婦扱いされていたというのか。
もしかして今もそんなに状況は変わらないのだろうか。
ヒロインは、スクリーンから抜け出てきた
映画の登場人物トムと恋に落ちるのだが、
その直後、トムを演じている俳優であるギルとも出会い
同じ顔をしたふたりの男から言い寄られることになる。
トムと良い仲になったあとで、ギルと遭遇したヒロインが
「トムを演じているあのギル・シェパードなの!?
 きゃー!! 毎日あなたの映画を観ているわ!!」
と、普通にジャニーズアイドルと街で偶然会ったみたいに
大興奮していたのが、謎すぎる反応だけどかわいかった。
ギルの選択の意図も謎だ。せめて最後にひとこと何か・・・

わたしも、帰る場所がないと思っていた時は
映画館が どこより安心できる居場所だったなと 思い出す。
今も映画館は大好きだ。自分の部屋と同じくらい安心する。





スターダスト・メモリー
Stardust Memories
1980年

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ウディ・アレン流「8 1/2」みたいな映画だった。
どこか、安心して観ていられるところがあるので、
今後繰り返し観たくなるかも。





ハンナとその姉妹
Hannah and Her Sisters
1986年

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登場人物が多いのに良くまとまっていて
理解できない所などまったくなかった。
みごとなものだな、と思う。
マイケル・ケインが若かった。
ミア・ファローがかわいかった。
ウディ・アレンがうっとうしかった(笑)
三姉妹が揃ってレストランで食事をするシーンが
緊張感があってとても良かった。
次女の、やることなすことイケてなくて、
計画性や論理性に欠け、しかも人に心配をかけまくり、
あまつさえ罪悪感がないという救済の余地ナシな感じが
わたしと良く似ていて深く共感した。
ミア・ファローが演じる長女は 正直そんなに
何もしてないんだよな、この物語のなかで。
三女の年上の同棲相手が非常にうっとうしかった。
あれでは浮気されても仕方がないなと思った。
三女が言うように、なぜ三女と付き合っているのか
理由が良くわからなかった。
ただ 浮気を知ってしまい深く傷付いているのを見て
正直 同情した。
ウディ・アレン演じる長女の元夫(病気恐怖症)が
本当に本当にうっとうしかったが
死の恐怖を克服するために親を泣かせてユダヤ教をやめて
カトリックに宗旨替えしようとするとか
彼のなかではものすごい大事件が起こっているのだ
ということは良く伝わった。
宗教っていうとあんまりピンとこない部分もあるけれども
要するに人生の大転換期ということだ。
わたしもけっこう 考えすぎてしまう所があるので
死とか自殺のこととかで強く悩む気持ちは良くわかった。
この長女の元夫の懊悩ぶりが見ていてこっけいで、
笑ってしまったのだが
もしかしたら わたしも悩んだり苦しんだりしているとき、
周りから見るとかなりこっけいなことを
言ったりやったりしているのかもしれない。
本人はこれで大マジメなんだけど(笑)
そう考えると、なんか、あんまり悩みすぎるの
やめたいな という気になってくる。
カッコ悪いから(笑)

どうせほうっておいても 人間はいつか死ぬのだ。
その時まではせいぜい人生を楽しんでいれば
それで良いのだろう。本当は。