BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

悪夢。-191109。

悪夢をみた。

「お前だけは本当に何もできないし
 人の役に立つことをしない。
 いままでお前を生かすのに、
 遣ったお金をぜんぶ返すまで、
 お前を絶対に自由にはしない。
 裏切り者の、嘘つきの、無能」
と言われた。
わたしは、
「それが自分でも一番気になっていることなんだ
 本当にごめん」
と叫んで、
思いつく限りの必要なものを取って
黒いスポーツバッグにガサっと詰め込み、
ぜんぶ抱えて、その場を走って離れた。
荷物はなぜだか全部 紙製のものだった。
書類とか本とか楽譜とかだ。
外は台風のようなひどい大雨だった。
でも、もう紙が濡れてダメになってしまっても
いいや、という気持ちだった。
ダメになったからといって
そんなに困るわけじゃないものばかりだと
知っていた。
カサを2本さして飛び出してきたのだが
強い風ですぐにカサは壊れた。
本当に何もできないし役に立っていないのだと思った。
わたしのような人間は早くいなくなればいいのに
あたかも生きたいと願っているかのように
なぜ身一つで ここに、いるのかと思った。
濡れてシナシナのぐちゃぐちゃになった
書類や本や楽譜であったはずの紙たちは
気持ちが悪かった。
溶けた糊のにおいがした。
持ち主のわたしでさえ始末に弱った。