BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

小学生に本をかりる-190925。

友だちのお嬢さん(小学4年生)が、
この前会ったときに本を貸してくれた。

はやみねかおる「奇譚ルーム」

f:id:york8188:20190925231255j:plain

publications.asahi.com


東野圭吾「ウインクで乾杯」

f:id:york8188:20190925231619j:plain

honto.jp



アンソロジー「世にもふしぎな動物園」

f:id:york8188:20190925231754j:plain

honto.jp


他にも読みたい本がたくさんあり
そちらを先に片付けようとして
後回しにしてしまって
ずいぶん遅くなったが全部読んだ。
 

奇譚ルーム
・・・おもしろかった。後述。

ウインクで乾杯
・・・つまんなかったが、設定が変わってて、雑学収集になる。

世にもふしぎな動物園
・・・アンソロジーのトリを飾る小川洋子の作品はさすがの傑作。
これだけ、なんか全然ほかのとキレがちがうな、
グイグイ読ませるな、誰だろう、と思って扉にもどり
作者を確認したら小川洋子となっていて、いたく納得。
なんか太宰治・・・いや、ちがう。もっと近いのがある。
会田綱雄の「伝説」だ。
わたしは、和歌とか詩は、ぜんぜんわからないんだけど、
「伝説」は学生時代に読み、美しかったからよく覚えている。

万葉集の、ほかひひの歌かなんかが、
うっすら原案にあったんじゃないかなと、おもっているが。
いとこなせのきみおりおりて、の長歌だ。
最初に登場する動物は鹿だけど、次のセクションで蟹が現れる。
歌い手が鹿や蟹になりきって、
大君の捧げものとなって、食べていただいて、
恐れ多くもありがたいことです・・・みたいな歌なんだけど、
「塩」とか、いくつごとにまとめて束にして、
市場に持って行って売る・・・みたいな描写が、
この歌は、「伝説」と良く似ている。

それにしてもまだ小学生なのに
ずいぶん難しいもの読んでるんだなあ。

わたしが彼女くらいのとき何読んでいたかな。
はっきり記憶に残ってるのは
吉本ばなな「キッチン」かなあ。
太宰治パンドラの匣」「お伽草子」「ヴィヨンの妻
童門冬二織田信長の伝記
あとシャーロック・ホームズか。
「踊る人形」「バスカヴィル家の犬」今も大好きだ。

でも読んだからといって
ちゃんと意味とか、わかっていたかどうかは。
・・・わかんなくても別に良いのかなという気もする。

「奇譚ルーム」については
最初、かりるつもりはなかった。
というのも単純に、お宅におじゃましたら、
お嬢さんが、じまんの蔵書を見せてくれたので
このなかで最近読んでおもしろかったのは?
と聞いたら、「奇譚ルーム」だと。
彼女、しゃべりだしたらとまらなくなり
結末も謎解きも何から何までみんな話してくれた笑
それがなかなかおもしろくて
わたしは本に興味を持った。
だが、いかんせん、今やオチを知ってしまっている。
「きみ、この物語の秘密を 全部知ってるわけだけど、
  知っていても、またこの本を読みたいと思う?」
と聞いてみたら、ちょっと考えたのち彼女は
「うん、思う!」と大きくうなずいた。
彼女もしきりに薦めてくれたので
かりてみることにした。
実際「奇譚ルーム」は、かなりおもしろかった。
ありきたりの、そういう系かと思いきや、
二重三重にひねりが効いているし、何より、
しゃれた結末が待っている。
長編アニメ映画化しても楽しそう。

本を返すとき、おかえしに何か、わたしも本を
プレゼントしたい気がするが、何がいいかなあ〜。