BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『マッチポイント』-190818。

原題:Match Point
ウディ・アレン監督
2005年、米

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www.youtube.com


この映画は過去に何回か観たことがあるから
今回は観なくても良いと思っていたんだけど
やっぱりなんとなく気が向いて、また観た。
ジョナサン・リース・マイヤーズ
スカーレット・ヨハンソンのふたりの
顔が見えないこのポスタービジュアルを
観たのは初めてだ。
テニスウェアのノラ(スカーレット)が
クリス(ジョナサン)と向きあっている、
バストアップのポスターは良く覚えているんだけど。
(Movie Walkerのリンクを貼っておいた)

今思ったんだけど、あのときノラが着ていた
真っ白・ミニスカートのテニスウェアは
ウェディングドレスの皮肉なのかな。

・・・

内容に詳しく触れますのであしからず。

・・・

犯した罪が露見してもすごく困るが
露見しなくても結局自分は
罪の意識に一生苦しむことになるので
どっちに転んでも苦しいわなあ。

愛の妙薬」の「人知れぬ涙」
「真珠採り」の「耳に残るは君の歌声
このふたつが繰り返し、繰り返し、印象的に流れ
やがて映画そのものが19世紀後半あたりの
ストーリー性ゆたかなイタリアオペラみたいな
様相へと収束していくのがおもしろい。

それにしてもなんて皮肉な選曲なんだろう。

※『耳に残るは君の歌声』という映画があったけど
 ご覧になった方はいるだろうか。

movie.walkerplus.com

そう大した映画ではなかったと記憶しているのだが
もう1回観たいような気もする。
父親の枕元で思い出の歌を歌う、ラストシーンが良かった。


 

クリスが遭遇するノラの亡霊が
「あなたの行動はほころびだらけ」
と言っていたのが気になった。

確かに、クリスは犯行を決行する前に
ノラの勤務先に電話をかけてて
彼女の同僚にそれを聞かれちゃってたし
犯行の直後に派手に通行人と衝突して
多分、顔を覚えられている。
凶器が入ったばかでかいテニスバッグを
コンサートホールのクロークに預けたから
クローク係もクリスのことを覚えているかもしれない。
ふつうのバッグならまだわかるけど
テニスバッグだからな・・・印象に残るよ。
警察が本当の大バカじゃなければ、
やはりクリスは、いずれ、やったことの報いを受ける。
おさまるべきところに おさまる運命が
待っている、ということなのかも。
ただ、警察はかなり重度のバカに見えた。
ちゃんと真相にたどりついてくれるか心配だ。

キチっとして優雅な英国のクイーンズイングリッシュと
ノラだけが話す蓮っ葉なアメリカンイングリッシュの
響きの違いが楽しかった。
スカーレット・ヨハンソンの声は少しハスキーだ。
頭に血がのぼったときのノラのしゃべり方が
あの声質とあいまって、ものっすごく下品で、
聞くに堪えなくて、良い。