BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

「口裂け女」かと/ネコにひっかかれる-190814。

帰り道、女性が自転車で わたしを追い越していった。

うしろから この人が迫ってきていることには気づいてた。
というのも、自転車をかっとばしながら
ハンズフリーで誰かと通話していて、
しかもしかも、
電話のむこうの相手を、むっちゃくちゃ怒鳴りつけていたからだ。
ものすごい剣幕なので、遠くからでも聞こえてた。
うわーなんか怒ってる怒ってる・・・
くるぞ、くるぞ・・・近づいてくるぞ~とは思ってた。

怒鳴り声と走行音が いままさに背後に、と思いきや
シャーっと かなりの速度でわたしを追い越した。

背中の真ん中あたりまで伸ばした長い髪を
パーマ、否、きついソバージュにしていた。
夜でもこんなに蒸し暑いというのに、長袖長ズボン。
雨は降っていなかったが透明の長いレインコートを
前を閉じずに羽織って、風にはためかせている。
自転車の前カゴと後ろの荷台に
購入したばかりらしいトイレットペーパーを
それぞれ2セットずつ積んでいた。
さらに、両のハンドルにも何か荷物を提げていた。
あとビニール傘。
肩には巨大なショルダーバッグ。
すごい荷物でありバランス感覚だ。

わたしを追い越して、
15メートルくらいいったところで
キキッ!!!と 派手なブレーキ音をたて 
彼女は停まった。
ぐりゅん、と首を回してこちらを見た。
巨大な白いマスクを着用していた。
頬がすごくこけていることはマスクごしにも明らかだった。
右手に軍手をはめているのが見えた。
左手はどうだかわからない。
彼女はわたしの眼をまっすぐに見すえてきた。
烈火のごとく怒っているように見えた。
小さく舌打ちをした。
なぜ!!!
わたしがどうして彼女を怒らせたというのか。
怒ってるー、こっちくるーという
わたしの「心の声」的なものが聞こえてたんだろうか。

すごく長い時間、見つめられたような気がした。
けれども実際は10秒もなかったと思う。
と思う間に、彼女は自転車に乗ったまま
車体の向きを180度転回し
わたしのところまで引きかえそう、
・・・と思っているようなそぶりを見せた。
だけど、瞬間のことだった。
考え直したのか、こちらに向かっては来なかった。
なにしろ荷物をいっぱい積んでいる。
自転車の向きを変えるのが大変だ、と思ったのかもしれない。
またも小さく舌打ちをしたあと、
自転車を漕ぎだし、去っていった。

あいかわらず電話のむこうの誰かに
激しくわめきちらしながら。

怖いと言うかなんというか
それよりもまず 
「これが都市伝説『口裂け女』か、もしかして」と。
そう思った。
口裂け女だと証明することはできないが、
口裂け女ではなかったと言い切れるだけの証拠も別にない。
というか「口裂け女だったんじゃないだろうか」などという
ことを 真剣に考えてしまっているからには
それだけわたしは相当この件に戸惑い、
正常な判断ができないことになってしまってるんだろうな。

ひとつひとつの動きの、奇妙な機敏さといい 
つまりどこか野生的というか・・・
あの目つきも。
人間離れしたものを感じたから
それが やっぱり、怖かったかもしれない。

なんだったんだ!!!

・・・

近所のネコ
(首輪あり、白黒ブチ、4~5歳といったところ)が
路上でゴロンゴロンと寝がえりを繰り返しながら
ゆっくりと毛づくろいをしているところに遭遇した。
ネコは暑い時期は特に、ああいうことをする。
寝っ転がって腹を出してゴロンゴロンやるのだ。
背中がかゆいとか遊んで欲しいとか、何か理由があるんだろう。

しゃがんで鼻っ柱にそっと左手をさしだしてみた。
くんくんとにおいをかいできた。
まあ、そこそこ、まんざらでもないといった反応だ。
「ちょっと、なでてもいいか」と聞いてみた。
突如として すっと起き上がり、
左手をひっかいてきた。
よくわかんないがカンに障ったんだろう。
なかなかのいきおいだった。
ツメが指に当たったとき
トスン!と 刺さる感覚があった(笑)

指の皮がむけて しばらくはかすかに痛んだ(笑)
次に会ったとき、どんな反応を示すかなと思う。
においをかがせたから わたしのことは覚えただろうが・・・