BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

テレビドラマの感想-『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』-190716。

ネットフリックスで
テレビドラマを観た。

ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
2017年4月~5月
野口照夫監督、毎日放送

f:id:york8188:20190716220843j:plain

www.youtube.com


人気ブログを原作とする作品で
テレビドラマが2年前に放送され
いま、劇場版が公開中とのことだ。

最近知り合った、年下の女の子に
好きな映画とかドラマとか本とかあるの?って
なんとなく聞いたら
彼女はゲームが好きで、
光のお父さん』という映画を今度観に行きたい、と。
ゲームに全然詳しくない人でも観て楽しい映画?と尋ねたら
何の問題もなく楽しめるはず、と。
光のお父さん って なんだよ!!
タイトルが謎すぎて 強烈に覚えてた。
ほんとはわたしも映画を観てみたかったが、
しばらく忘れてて、
あっと思って調べてみたときには、
近所の映画館での公開が終了してしまってた。
ひとまずドラマの方を観てみた。

1話30分くらいだから 1日に何回分かまとめて観て
4日くらいで全部観終えた。

仕事人間だった父が、ある日、突然
会社を辞めて帰ってきた。
辞めた理由が知りたい。
父とは、幼い頃には一緒にゲームを楽しんだこともあったけど
ささいなすれ違いを重ねたこともあって
今では日常の会話さえ、ほとんどない。
だが、一計を案じた息子は退職祝いにかこつけて
オンラインゲーム『ファイナルファンタジー』をプレゼント。
FFは、かつて父子で遊んだ思い出のゲームでもある。
正体を隠してオンライン上で父に接近し、一緒にプレイするなかで
父の本音を聞き出そう、という計画なのだが・・・

オープニングソングがすごくカッコイイ。

GLAY『the other end of the globe』

www.youtube.com

GLAYなのか・・・
どうりで歌がうまいなと思った。
わたしが知っていた頃よりも
今の方が断然うまい気がするな。

・・・

息子役の千葉雄大の「顔芸」がおもしろかった。
整った顔立ちで、ああいう変な顔されると、異様に可笑しい。
ただ、そんなに複雑な感情表現などを
要求されたわけじゃなかっただろうから、
彼は、役者としてはもしかしたら、
この仕事は退屈だったかもしれない。

話がシンプル過ぎて物足りなかったなあ。
もっと紆余曲折あった方がおもしろかった。
現実世界で父と衝突したり。
あと、例えば・・・
オンラインで正体を明かしてないんだけど
父の本心を聞き出したいあまり
現実世界でその感情を中途半端に父にぶつけてしまって
ハッ、そうだこれはゲームじゃないんだと冷静になったり
それから・・・そうだなあ
ゲームの世界で共闘するパーティにおいて
人間関係のいざこざが発生し
そういうのを解決していく・・・とか。
何でも良いんだけど例えばそんなひねりも
あっても良かったんじゃないかなと思う。

あと、現実世界パートでの
主人公の会社員としての働きぶりや
職場のようすの描写があまりにも安っぽかった。
父の親友で、会社経営者であるという人物が
会社で開く会議のようすも、現実感がまるでなかった。
仕事って、もっと複雑なもんだとわたしは思う。

そんなわけで 正直なところを言えば
おもしろい、って感じのドラマじゃなかった。
現実世界での物語の展開は
中学生や高校生でも先が読めまくるだろうなと
思うくらい イージー
でも、
大杉漣、亡くなっちゃったんだよねえ涙。
それを思うとドラマのストーリーには
感慨深いものがあった。

また、
ゲームに全然縁がないわたしにしてみれば
ゲームの世界と現実の生活とが関連し合うというのが
おもしろい発想だと思ったし
オンラインゲームってこんなことができるんだな、
というのをいろいろ知ることができて興味深く観た。
ゲームの映像の美しさや、キャラクターの動きがかなり
自然なことにも驚いたし
というかあのゲームパートを
どうやってドラマに採り入れたのかなと思う。
実際にゲームをプレイして、ドラマのシナリオ通りに動かし、
そのプレイ動画をキャプチャして入れたってことなんだろうか。
それとも、あたかもゲームのプレイ画面のように見せかけて
1から全部作り上げた映像なんだろうか。

初めて知ることばっかりだったから
毎回 「マジか!!」って声を上げてしまうほど
おもしろいことの連続だった。
・キャラクターに着せてる衣装が
 自分だけみんなと違ってて、恥ずかしいから
 もうゲームやりたくない・・・みたいな初心者の心理
・キャラクターのレベルを上げるために
 サブクエストの回数をこなさなくちゃならないが
 それを繰り返す単調な作業がおっくう
・サブクエストを来る日も来る日もやっているうちに
 メインクエストに戻るのが面倒になる
・レベルが低いのに、フィールドをうろうろするうちに
 上級者向けエリアに足を踏み入れてしまう
・操作に慣れてなくて意味わからん動作をしてしまう
・キャラクターに言葉を話させたいが入力が遅くて
 何分も黙りこくる形となってしまう
・オンラインの世界で、人柄が豹変する人がいる
・ゲームの世界で結婚式(みたいなもの)を
 あげることが可能 ※会場の予約が必要
・オンラインで出会った人と恋愛関係になることがある

じゃあ現実世界のパワハラ上司と
それと知らずにパーティーを組んで
それと知らずに協力して敵を倒し
がんばったね!と健闘を称え合うこともあるし
はたまた
現実世界でこの上もなくステキと思ってる片思いの相手が
ゲームの世界では鼻持ちならないイヤなやつとしての
本性を現していて そいつのこと大っ嫌いなのに
それがあの人だと気づいてないとかってことも
あるのか・・・
オンラインって複雑そうだけど
おもしろいことがたくさん起こっているんだなあ。

わたしはゲームってのには縁がほとんどないと思ってた。
コントローラを握ったこともない。
けど
実家にはプレイステーションがあった。
弟と兄は遊んでたな、と思い出す。
そういうレベルも含めれば、
縁がないといっても、誰でも、わたしでも、
何かしらゲームの思い出ってのは、あるんだな。

ゲームって、ハマると大変で「1日に遊んでいいのは30分まで」
とか家庭内ルールを決めるのが大変って話をよく聞くが、
弟も兄もそんなにハマってる感じはなかったな。
夕食の時間なのに親が何度声をかけてもやり続けてるとか
そういうことはなかった。
まあうちはものすごく親が厳しかったので
弟や兄は空気を読んでいたんだろうが。
そしてふたりとも高校生くらいになったら、もうやらなかった。
わたしは兄弟がやってるのを見ても
自分もやってみたいとはまったく思わなかったが
ゲームの映像が、見てて楽しかったって印象だけはある。
でも、『光のお父さん』で千葉雄大大杉漣
遊んでる ファイナルファンタジー14とかほどには
当時はグラフィックが進んでなくて、
なんというのかな
「こんな、人なのかどうかもわかんないような
 ちっちゃな四角の寄せ集めみたいな
 人形を動かして、文字の説明を読んで、
 それがそんなに 楽しいのか?」
「パッケージの絵と、ゲームの映像が
 全然違うのに、だまされたって思わないのか?」
みたいなことを わたしは思ってた。
そのことを、口に出して言ったことがあった。
すると、ゲームで遊びながら、弟や兄が
「これでもグラフィックは進んだ方だ」
「自分で想像するから、絵とかは気にならない」
とか口々に言ってきた。

光のお父さん』で 聴こえてきた
ゲーム音楽の多くは、
わたしも聴いたことがあるものだった。
弟や兄が当時遊んでたゲームのなかに、
ファイナルファンタジー』があったんだと思う。
今となっては「14」まであるみたいだから
兄弟がやってたのが「ファイナルファンタジーいくつ」
だったのか わかんないが。
オンラインゲームじゃなかったし。
14ってすごいな!
全然ファイナルじゃないじゃん。
終わる終わる詐欺みたいじゃん(笑)・・・
でも 映画『ラスト・アクション・ヒーロー』(1993年)の
「ラスト」も、「最後」って意味じゃなくて
究極的にスゴイ、とか、最高の、とかいう
意味って聞いたことがあるな。
ファイナル、もそっち系の意味なのかもしれない。
14まで出てるってことは
それだけみんなに愛されているゲームなんだろうし。
なんかちょっと、わたしもやってみたいような
気がしなくもない。
でも性格的に なんか 弟や兄と違って
わたしこそ やり始めたらハマってしまいそうだな。
で、なんかすごい特殊な遊びかたをしそう。
ボスを倒すとかストーリー攻略とかどうでもよくて
そうだな 例えば・・・
「キノコ採り」とかそういうどうでも良い作業に
夢中になっちゃうんじゃないかなあ。
キノコ採りなどというミッションが本当にあるのかどうか
知らないが。

少し足をのばせば
まだ劇場版『光のお父さん』を上映している映画館はある。
もしかしたらドラマとは違う展開もあるかもしれない。
観に行ってみたい。

光のお父さん』を薦めてくれた子に
早く「光のお父さん 観たよ!」って話をしたいな。