BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

ラトゥールじゃなかったら誰だ/死ぬときに思ってたいこと(仮)-190610。

さっき近所を散歩していたときに見かけた、
路地の前方つきあたりのお宅の、
玄関先が、きれいだった。
ほぼ黒みたいな濃紺の 暗がり 雨降ってて。
軒先に古風なランプ型の照明がさがっていて
オレンジ色の灯りがくっきり浮き上がる。
「ジョルジュ・ド・ラ・トゥールみたいだな」
と思ったんだけど
帰ってきてラトゥールの画集を見直したら
似たような感じの絵なんかひとつもなかった。
ネットで検索しても、ない。

ラトゥールは人を描く画家で 風景画の人じゃないしなあ。

誰の絵を思い浮かべたんだか、わかんない。


・・・

死に方は決められないわけだが
できれば
死の床にあるときに こんなことを思ってたい。

「なんかものすごくいろんなことやって
いろんなこと考えて、
結局ぜんぶ中途半端だったけど
でもまあ けっこうおもしろかったな~
大したことできなかったにしても
法に触れるようなことだけはしなかったし、
楽しかったからいいかな」。

ガンで死ぬケースはやはり多いようだし
わたし自身の係累も、戦死した父方の祖父を除けば
知る限り全員、ガンでこの世を去っている。
最期はガンで、が 一番想像しやすい。
髪の毛洗えないしお風呂入れないし最悪だろうな。
ずっと寝ているからふとんもぺったんこで。
やせちゃってるし、ものすごく痛いかもしれない。
でも わたしはこれで肉体的な苦痛にはそこそこ強いから
いっそ殺してくれレベルの恒常的激痛のなかにあっても 
意識がはっきりしているときは案外
バカなことを考える余裕があるんじゃないかと思う。
体の痛みならばわたしは(ヤダけど)耐えられる。
心の痛みに比べれば、いつかは消えてくれると
明確にわかっているだけ ずっとずっとマシだ。
まして死に至る一過程と知っていれば。
元気だったときにやった仕事のこととか
好きだった男の子のこととか
旅行に行ったときの超くだらない思い出とかで
ちょっと思い出し笑いするのも楽しそうだ。

いつ死ぬかわからないが、さしあたり20年後くらいだとして、
そのときもまだ今と変わらずワインが好きだったら・・・
それをわかってくれている友人が
ボトルをお土産に持ってきてくれてて
枕元にあるといいがな~
「くそー 飲みてえええ・・・・」って思ってるくらいだったら
飲む。飲むの手伝ってくれって言おう。
頼む死ぬ前にあのワイン飲みたいから買ってきてくれー
って どこのソムリエだ的なカッコイイことが言えるように
生涯最後に飲みたいと思うような
むちゃくちゃ美味しいワインに出会っておきたい。
これから死ぬまでの人生で。
でもたくさん飲んでいくうちに もしかしたら
飽きるかもしれないから 
これは仮のプランだな・・・