BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

髪の毛を伸ばすという、暫定人生最大級の努力/美容師さん問題-190324。

髪の毛にパーマをかけた。
人生で初めてのことだった。

これまでまったく
関心がなかったから
パーマってどうやってかけるのか
考えたこともなかった。
美容師さんが 
小さな筒みたいなものを
たくさんもってきて、
わたしの髪の毛を小分けにし
それにくるくる巻き付けるのをみて
「その筒、なに」と聞いたり
何回か
「薬つけるよー」といわれて
「それなんの薬」とか聞いたり
なにもかも めずらしくて 
おもしろくて、
子どもみたいに質問しまくった。

ちなみに髪の毛をまきつけた
筒状のものは「ロッド」というそうだ。

「パーマかけたよね!!!!」
と 会う人 会う人
眼をまるくし指さしてくるような
ガッチリキマッたパーマは
はずかしかったので
全体にゆるやかに
ウェーブがかかったような
自然なかんじにしてもらった。
さらに、わたしは
自分で自分の髪を
アゴムなどで結ぶことも
できないくらい不器用なので
(わたしの髪の毛が短いのは
そのせいでもある)
あまり手をかけなくても
それなりにサマになって見える、
そういうかんじにしてくれと
お願いして、
あとはおまかせ。

希望通りにしてもらえたとおもう。
気分も変わって 大成功。

昨年のあたまくらいから、
中学・高校の同級生男子が営む
美容院に通うようになった。
学生のときは、
つきあう友だちの輪も
部活も、クラスもちがっていたし、
たぶんぜんぜん 彼と
話したことがなかった。
でも、数年前に彼が美容師となり
自分の店を開いたことを
たまたま知ったので、
開店祝いのつもりで
カラーリングをお願いしたのが
始まりだった。
彼はとてもじょうずであった。
わたしの髪の毛のクセなどを
すばやく理解してくれ
とても話が早い。
明るくておしゃべり好きのうえに
同窓生なので
すごく話がはずんだのだが
話しどおしながらも、
仕事が的確なのには
おどろかされた。

当時 わたしは
別の美容院に
10年ちかくも通っていた。
でも、何年にもわたり
指名してきた美容師さんが
産休に はいることがきまった。
復帰したとしても、平日午前中だけの
パートタイム勤務になる、という。
仕事が土日休みの自分はそれだともう
この美容師さんには
お願いできない。

まず、同じ美容院のべつの美容師さんに
お願いすることを考えた。
そこは大きなお店で、10人くらいも
美容師さんを擁していた。
そこで、産休に入る美容師さんに
「おやすみに入る前に
わたしという顧客を
ほかの美容師さんに
引き継いでおいてください。
そうすれば、あなたが
おやすみに入ってからも
このお店に来ることができます」
と 伝えておいた。
じつは まえの美容師さんも
そのまえの美容師さんも
そのようにしてくれた。
引き継がれ、引き継がれして、
やがて彼女と出会ったのだ。
つまり彼女はわたしにとって
このお店で3人目の
美容師さんだった。
彼女は、
「はい、後任を考えておきますね」
と 言ってくれた。
でも、
後日、お店名義で
彼女が産休に入ることのおしらせと
「半年間特別価格になるので、次の担当を
当店でお決めください」
というチケットが届いた。
けっきょく後任の美容師さんを
彼女は 自分で決めてはくれなかったのだ。

たかが髪の毛、といわれれば
それまでだ。
でも、
クセとか性質とか好みとか、
やはりいろいろあって・・・
髪型をかえたら 
たとえ気に入らなくても
伸びるまではそのままである
ということをかんがえると
なんでもいい、だれでもいい
というわけにはいかないものだ。
イスに座ったら 何もいわなくても
思い通りの髪形に仕上げてくれる・・・
そういう美容師さんというのは
いうまでもなく、得難い。
もうお願いできない、となると
次の出会いを求める必要がでてくるが
その作業は
けっこうたいへんなことなのだ。

10年通ったお店だが
このことを機に 通うのをやめた。

わたしはそれで
おととしの暮れに
美容師難民となった。
どうしたもんかなーとおもいつつ
ぐずぐずしていたら
髪の毛がすごく伸びてしまった。
それまでは1ヶ月に1回どころか
27日~28日に1回くらい
かならず切っていた。
それが2ヶ月以上放置となった。
ほんとうはとても、
髪を切りたくてしょうがなかった。

カラーリングをお願いした
あの同級生男子のことを思い出した。

カットをやってもらってみた。
やはりとてもじょうずだとわかった。

以来 自分の頭髪関連のことは
彼に一任している。
美容師さんを彼に変えたことだし
ここで気分を変えてみようかと
おもいたった。
ではパーマでもかけてみますかと
彼と二人三脚でのプロジェクトが始動。

パーマをかけるとなると
髪を巻いたりする必要から
かなり髪の毛を伸ばしておかなくちゃ
いけないという話だった。
気が重かったけど
非常に短いショートカットだったのを
9ヶ月近くもかけて
かなり長く伸ばした。
ここまで伸びたら、もう
アゴムとかで結べるよね、
というくらいまで伸ばした。
だが先にのべたとおり
わたしにとって 
髪の毛を結ぶとかいうのは
超高等技術であり
結べなくて、つらかった。
ただ、はたから見るぶんには、
伸ばしっぱなしの髪も
意外と自分で思うほどには
みっともなくなかったらしい。
そういう長めの髪もいいね、と
ほめてくれる人まであった。
その点はラッキーだった。
「髪の毛じゃまそうで
見ててもうっとうしいよ。
切るか結ぶかしたら?」
とか言われたことは
さいわいなかった。

じつをいうと1回
髪の毛伸ばすの 挫折した(笑)
伸びかけのところですごく
うっとうしくてたまらなくなった。
美容師さんには
「え!切っちゃうの!!
パーマかけるんでしょ??
まだだめだよ~!!」と
止められたけど 切っちゃった。
彼の熱烈な説得により、
伸ばしつづけることを前提とした
最小限の調整ということで妥結したが(笑)

そこからもう1回 
努力して伸ばした。
やはりある段階でものすごく
伸びかけの髪がうっとうしくなったが
峠をこえると
案外平気になってくるものだと知った。
体験してみてはじめて
わかることってあるものだ。

わたしは正直
かなりがんばった。
髪の毛を伸ばす、という作業を、
相当に多大な精神的労力を動員して
なしとげた。
こんなに長期的に
あるひとつの目的にむかって
なにかしらの努力をしたのは
もしかして 人生で
初めてかもしれない。

うーんでも
やっぱりもうちょっと
短くしたいような
気がしてきた。
来月 美容師さんに相談だな・・・