BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想をおもに記録しています。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

失態/もようがえ/高橋和巳「邪宗門」考-小休止-2-190224。

きのう小林賢太郎
コントプロジェクト
「KAJALLA」の公演を
観に行く予定だったのに
開演時刻を1時間まちがえて
記憶していて
もういまから行っても
まにあわない、という時間に
出発してしまったことにきづき
会場まで行かずに断念
時間についての失敗・・・
約束の時刻をまちがえて遅刻するとか
ぎゃくにうっかり早く行き過ぎるとか
そういうのだが・・・
わたし、あんまり するほうじゃない。
スゴイショック・・・
大失態ってかんじだ。

夜になってから都内に出た。
わたしの部屋に本棚をつくってくれた
大道具作家の宮本洋平くんと
彼をわたしに紹介してくれた友人のKと会い
お礼をかねて みんなで夕ご飯をたべた。

york8188.hatenablog.com


宮本くんはこの街の在住ということで
夜遅くまで開いている とある
新刊専門のおおきな複合型書店に
つれていってくれた。
とてもおもしろい書店だったので
これからはひとりでも訪ねたい。
近所の書店で売っていなくて
まだ購入してなかった
津島佑子の「狩りの時代」を買って帰った。

books.bunshun.jp



・・・

きょうは きのうにひきつづき
体調もよく大変元気にすごすことができた。
掃除をしつつ
部屋の家具の配置がえを行い、
いくつかのものを
粗大ごみやリサイクルにだす準備をした。
作業用のデスクを配置することを想定して
部屋が広く使えるように
ベッドの向きを変更し
パソコンまわりのケーブルの
配線もととのえた。

壁がさびしいので
ポスター貼りたい。とかおもった。
あと、本棚 もう3基くらいほしい。
ダイニングも使えばあと3基くらいは
入れられるからな・・・

そのようなことをきのう
宮本くんとKに話したら
床一面をスケルトン仕様でかさあげして
ぜんぶ本入れにしたらどうかといわれた。 
わたしにはぜったいおもいつかない
イデアだったので
ものすごくわくわくした。
それもいいかもしれない。
そこまできたら
もう一般人の居室ってかんじじゃない。
よくわからないけど
でもなにであるかといえば やはり
本屋だとおもうねそれは。

・・・

高橋和巳邪宗門」を
何周目かだが 読みおえた。

f:id:york8188:20190130003057j:plain

www.kawade.co.jp



大阪のタコ部屋における
さいごの場面は 
何度読んでも涙がでるが
なぜ涙がでるのか 自分でも正直わからない。

腕に傷した行者、というのが
誰だったかなと いままでずっと
読んできて わかんなかったけど
たぶん大川春夫。
教団が最終的な瓦解にいたる前夜に
腕を負傷していて
傷口に塩をぬって応急処置するという
場面があったし
それに流れから推測するに
さいごのさいごに近い段階まで
彼は千葉と行動をともにしていた。

エスペラント語が得意な
変人の小早川勇も
この一行に参加していたのでは
ないかとおもう。
だけど
大川も小早川も
千葉のためにここまでする
キャラだったかな、というかんじが
わたしには ある。
大川はとくに 
べつに彼単体での活躍とか
ふかい人物描写はなかったにせよ
三高時代の千葉の最大のライバルという
位置づけだった。
そんな男が千葉の下についたばかりか
ここまでのことをするなんて。

「変なことに巻きこまれたな、俺も。
ひどいなあ、実際。
ひどいぜ、千葉さん」
そんなことを思いながらも
けっきょくは千葉の
革命に殉じた後輩・落合武彦もそう。

なぜこのキャラクターがこんなにまで、
という展開が 多いなとおもう。

吉田も、大川も小早川も
落合武彦も、
千葉も、教団も、
いったいなぜこんなことに
なってしまったのだろう。
あぶなくなってきたら
とちゅうでやめちゃえばよかったのに
さいごまでやるしかないと考えたのは
なぜだったのだろう。
正直わたしにはほんとにそれが
わからない。

5人の行者とは。
千葉、堀江民江は確実として
あと3人・・・ 
女は女行者とはっきり書かれるから 
民江だけとわかるので
あとはみんな男性のはずだが
大川、そして小早川だとしてあとひとりは
だれなんだろう。
南米造とかなのかなあ・・・


佐伯という医師が登場する。
かつて教団づきの医師のような
かんじのポストにあったものの
当局によるはげしい弾圧を機に本部を離れ
いまは関西の いまでいう 
あいりん地区あたりで
町医者をやっているという人物だ。

彼は千葉潔らのさいごをみとどける。

佐伯医師が
タコ部屋にやってきた謎の行者たちと
せっするなかで
なにをおもったのかちょっとほほえんで
それからウイスキーをラッパのみした
(佐伯はアル中なのだ)
という描写があるのだが
でも、このあとを読み進めると
彼はこの段階では 
行者がかつて親しく交わった教団の
人びとの一行であることに
気づいていないことがわかる。
気づいたけれども「久しぶりだね!」とか
おおさわぎするのも野暮というので
あえてだまっておいた
というかんじでも、ないのだ。
佐伯医師が
ちょっとほほえんだ、というのは
なぜなんだろうなとおもう。
行者たちは
たどりついた簡易宿泊所
産気づいた女性が
やすらかに出産できるように
ささやかながら力添えをする。
佐伯医師は
彼ら行者たちの心映えに
「いまとなっては遠い昔だが
かつては自分も
こういう人たちがたくさんいた
あたたかい場所に身をおいて、
なに不自由なく充実した
医療活動をしていたんだよなあ」
とかいうことを回想して
ちょっとにっこりした、
ということなんだろうか

でも
佐伯医師が教団と距離をおいた
背景やそのてんまつは
とうてい そんなほんわりした感傷を
ゆるしてくれそうもないかんじなんだけど笑!

尾智少年はどうなったんだろう。
彼の手になるモールス信号が
ぷっつり断絶したとき
彼の身になにがあったんだろう。

阿貴と吉田という人物は
この物語にとって何なのか。
わたしにとってはふたりは
「いてくれてよかった」と 
ほっとさせてくれる
役まわり というのが第一だが。

「私たちの信仰はどこへ行ったの」
阿貴の嘆きに胸をつかれる。
彼女が教団のありかたについて
明確に自分のきもちや考え
らしいことを言うのは
このときが初めてであるようにおもう。

吉田が千葉にたいして
説得というかむしろ哀願といってもいい
ことをする 岩場の場面も
とても強烈だ。


わたし高橋和巳がなにを
わたしにいいたかったのか
まだなにもわからない。

でも
書くならそろそろ
何か書いてみちゃどうだと
高橋和巳にいわれている
ような気もする。
やさしい人だったと聞いているので
わたしがまぬけな解釈をしても
怒らないでいてくれるだろう。
でもガッカリはさせたくない涙
書いているうちに
考えがまとまっていくこともあるだろう。
すこしずつ 歩きはじめてみたいとおもう。