BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

きょう一日/英語ききながし/「中国低層訪談録」-190127。

体調を崩して
一日横になってた。

本棚の整理を続けようと
おもってたんだけど
なかなか予定どおりには
いかないものだ。
でも夕方には元気になった。

しっかり湯舟につかって
温まろうとおもい、
銭湯に行った。
この銭湯、
ここ2週間あまり
無期限休業の状態にあった。
ちかくにもうひとつ銭湯があるので
どうしてもと
おもうときには 
やむなくそっちに行ってたが
やや せまかったり、
お湯の出がわるい所があったり、
ちょっと使いにくさを感じてた。
番台さんに 
いつも行っている
銭湯、閉まっちゃっているんです
と話したら、
「ご主人が急病で倒れたと
聞いてます」
とのこと。
銭湯どうしのネットワーク的なもので
情報が共有されているのかもしれない。

いつも行っている銭湯のほうは
引っ越してきた当初から
わたしの心のオアシスだ。
ご主人のご病気も心配だが
このまま閉まっちゃったら
かなしいなーと
おもっていたんだけど

2日まえに無事に営業を再開された。
番台さんによれば
ご主人はインフルエンザだったそうだ。
推測するにご高齢なのだろう。
一時入院されていたという。
でも今はお元気ということだった。

休業のあいだに
大掃除が行われたみたいで
全体的にすっごくきれいになっていた。
もともとお掃除のいきとどいた
清潔なお風呂ではあるのだが
ますます磨き上げられており
ロッカーのカギにつけられた
手首にはめておく用のゴムも
すべて新品につけかえられ
体重計などのツールも
新しくなっていた。

いつもにもまして
きもちよく過ごすことができた。

おかげで心身ともに完全回復。

・・・

朝、かろうじて洗濯をした以外は
一日、ベッドに入って本を読むか
寝るか 
パソコンをもちこんで
なにか書くかしていた。

作業用のデスクを買わなくちゃなあ。
わたしの部屋の
すべてのかなめである書棚は
いまや完璧にできあがった。

york8188.hatenablog.com


どこにどのくらいの大きさの何を置くか
あとは おのずと定まってくる。
もう 
迷うことも あとまわしにすることも、ない。
このあとはデスクだ。
プリンタも置けるやつ。
コンセント付きがいい。
書棚の脇に設置すれば
書棚から提げる照明をつなぐことができる。
ロータイプのデスクも
いいような気がしてきた。
座卓、ってやつ。
あれ、足がむくまなくて いいんだよね。
座卓にしようかな。

・・・

書いたり考えたり読んだりするとき
たいてい 音楽かラジオをかけておくが、
どちらも あまり気乗りがしなかった。
でも、音がほしくて、なんか・・・
英語による文学作品の
朗読とかないかな
とおもって、
YouTubeで検索してみたら
あった。
YouTube なんでもあるなあ・・・

www.youtube.com


「ポケットレッスン モバイルラーニング
英語リスニング聞き流しシリーズ」

URLを貼ったメーテルリンクの 青い鳥
それから 白雪姫、
ヘンゼルとグレーテル
美女と野獣といった作品の
英語朗読を聞くことができる。
画面を見ないで聞き流していてもいいのだが、
画面には テキストが表示され、
それが音声と連動する。
いま読んでいるところを
文字の色を変えてマーキングしてくれ、
頻出・重要単語は 
意味もポップアップ表示してくれる。
スピードはややゆっくり
なめらかで聞きやすい、女性の朗読だ
じっさいには こんなに美しい発音で
はっきりと 話してもらえることなど
そんなにないのだろうから
実用性という点では
どうなのかねーとおもうが

実用もなにも 言えた分際じゃない笑

イイ。心がなんだかすごくほっとするうえに
勉強にもなる。
さっそくチャンネル登録しておいた。
ドイツ語のこういうのもあればいいけどな。
グリム童話とか。ありそう。

・・・

きょう読んだのは

廖 亦武(日本語版監修:竹内実 訳:劉燕子)
「中国低層訪談録 インタビューどん底の世界」
(集広舎)

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honto.jp


すこしまえに古書店で買ったのだが
しばらく着手できてなかった。

誤植と 翻訳のザツさが気になったが
中国のアンオフィシャルな声に
ふれられる本って、
思えば あんまりないとおもう。
かなり刺激的でおもしろかった。

とくに 
とある山村の おじいさんの話が強烈。

夫婦でハンセン病を疑われて村八分にあい
病気の妻を 生きながら焼き殺されたという

昔のことなら許されるという話では
断じてないのだが、
奥さんが命を落とした年が
なんと推定1995年だ。
すごく、最近だ。
B’zが
love me, I love you」や
LOVE PHANTOM
を発表したころだ。
おじいさんも、奥さんも、
けっきょくハンセン病ではなかった。
奥さんは元気だったころ、農作業中に
おおきな毒ヘビにおそわれたようだ。
おじいさんはその毒ヘビを殺した。
おそらくヘビの毒が
奥さんの衰弱の原因だったとみられる。
毒ヘビや大蛇を殺すと呪われる
という迷信があるらしいうえに
ハンセン病は昔たいへん恐れられたので
おじいさんも奥さんも
もろもろ村人たちの不安や不満や恐怖心の
はけぐちにされてしまったのかもしれない。

しかも おじいさんによると
村の男たち 30人以上が 
奥さんを焼き殺したあと
家におしかけてきて
おじいさんの食材でごちそうを作り
お清めとばかりに酒盛りをしたと。

「みんな、おらの家のために
力を出してくれたんだから、
ごちそうしなけりゃならねえ。
文句なんかねえ。
絶対に義理を欠いちゃならねえ」。
※64ページ

・・・

本書は、インタビュー集のため
口語で読みやすい。だが、
知っておくべき用語、
歴史的・政治的背景がたいへん多い。
インタビューの相手が
お年寄りの場合は、
第二次世界大戦期、
文化大革命前後の中国について
知らないとかなり きびしい。
あと、中国の独特のジョークとか、
会話にでてくる たとえばなし・・・
むこうの人たちは
紅楼夢とか金瓶梅水滸伝三國志
唐詩・・・といった自国の文芸 文化を
ちゃんと一般常識として、知っている。
英国の人がディケンズシェイクスピア
あたりまえのように 日常会話に
登場させているらしいように。
王朝や政権の変遷についても
認知度はそうとう高い印象だ。
学校行けなかったんじゃないかなと
おもわれるような教養レベルのかた
字が読めないというかたも
会話でばんばん引用してる。
活字以外にも演劇とか
いろんなほかの媒体で
知れるからなあ、中国文学も政治も。

いちおう傍注と巻末キーワード集が
付されているが
その項目数は膨大、 
くびっぴきで内容を
追わなくてはいけない。
でないと5行、6行平気でまったく
話の内容が理解できないのだ。
わたしは巻末付録だけでなく
広辞苑と漢和辞書と電子辞書の中国語会話
ぜんぶもってきて 参照しながら読んだ。

相当 時間と忍耐を要する結果となった。

そこをのりこえることができれば
読む価値は 多分にある。

調子わるいときに読む本じゃなかった笑

コンディションがいいときに
もうちょっと落ち着いてゆっくり
読み直したいかも。