BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-「シュガー・ラッシュ:オンライン(2018)」-190104。

原題:RALPH BREAKS THE INTERNET: WRECK-IT RALPH 2
リッチ・ムーア 、フィル・ジョンストン監督
2018年、米

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movie.walkerplus.com


圧倒的だった・・・
前作と、「キレ」がまったくちがう。
つきささるようにおもしろい。
なんだこれは。
シュガー・ラッシュ」とは
ぜんっぜん別の映画みたいだ。
別の映画だけど!

前作で脚本を担当した
フィル・ジョンストンという人が
本作でリッチ・ムーア氏との
共同監督の立場となったようだけど
このあたりのことが、関係しているんだろうか。
前作と本作のあいだには
6年の歳月がよこたわっているとはいえ
おなじ人の頭で考えたというのでは
説明しきれないくらいの 
先鋭的な発展を遂げていた。

前作で
わたしがいろいろと
わずかに不満だったり 
きもちわるすぎると感じたところなんかは
造作もないといったふうに
完璧に、かつ適切に 
質量とも修正されていた。

york8188.hatenablog.com


おもしろさとメッセージは
よりくっきりと 
研ぎ澄まされるように
わかりやすくなり
カラフルになり 緩急自在
なかだるみなど いっさいなし
情報量は多いのに 
受け止めるのが苦にならない。

歴代のディズニー・プリンセスたちが
控室でまったりしてる笑!!
「あなたは
強い男の人に守られてないと何もできない子って
みんなに 思われているかしら?」
「ああ・・・それって最低だよね!」
「なら あなたは本物のプリンセスよ」!

笑。

ラルフとヴァネロペのドラマに
心を打たれて 涙がでた。

幼くて危なっかしいけれども
好奇心旺盛で、なによりも、
リスクをとる果敢さが
ヴァネロペにはある。
ラルフは 6年前にやっと手にした
平穏で安楽な生活を
これからも続けていくことについて
なんのうたがいも不満もない。

ヴァネロペはべつに
ラルフとお別れしたいわけじゃない。
でも、仮にラルフと一緒に行けなくても、
新天地に旅立ちたい。
ラルフはべつに、
変化したくないわけじゃない。
どこであろうと何であろうと 
ヴァネロペはおれとともにある、
おれがヴァネロペを守るのだ、
そのことを固く信じているだけだ。

おだやかだが かわりばえのしない毎日に
倦んでいたヴァネロペが 
新しい居場所を見出した
そんなことはいままでなかったから
ふたりは当初こそ とまどい
利己的で自己中心的な考え方ばかりしていた。
ヴァネロペは
「行きたいけど、
話したら絶対ラルフに怒られる」。
ラルフは
「おれはヴァネロペのヒーロー。
ずっと一緒で当たり前」。
でも、
本来は おたがいを思いやる 親友同士、
やがてきちんと考え直せば このできごとを
ふたりの力で のりこえられたはずだった。
なのに、
考えを的確な方向に育ておえて
きちんと向き合う前に
ふたりのあいだには、
決定的なすれちがいが生じてしまう。
・・・
よくこのような、
描写が難しく思える
人の思いと思いの問題を
正面きって扱ったものだなあ。
わたしなら、もう不可能におもえて、
とちゅうであきらめてしまいそう。
アニメだからこそ可能だったのだろうか。
こういうふうにやればよかったのか!!
って、なにか 観てて思った。
むしろ、かえって ラルフとヴァネロペは
最終的にこの物語を描くために
生み出されたキャラクターだったのかもと。

めちゃくちゃかっこいい。
成長してる!怖い!

スゴイ・・・。

なにか、
シュガー・ラッシュ
和解できた、そんなよくわからない
感覚さえおぼえた。

「ああ、こうして見るとおれってほんとに
気持ち悪いよな。これじゃ友だちに嫌われて
あたりまえだ。・・・おれが間違ってた」

「自分の欠点を自分で直したんだよ!」

・・・

まちがいなく必見。
どなたにもおすすめしたい傑作。