BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』-181208。

原題:Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald
デヴィッド・イェーツ監督
2018年、米・英

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movie.walkerplus.com


かなりおもしろかった。
くるみ割り人形と秘密の王国』
よりは ずっと入り込めた。
くるみ割り人形と秘密の王国』の
感想はこちら↓

york8188.hatenablog.com


やっぱり大人になると 
ややこしくってどろどろしてて
暗い話のほうがなんとなく
おもしろく感じるのかねえ。
大人になると、って 
わたしだけかもしれないけど。

前作同様、映像がきれいだった。
青い炎と赤の炎の激突の場面なんか
壮麗で涙が出そうになった。

エディ・レッドメインがだいすきだ。
すてきな役者さんだとおもう。

若き日のダンブルドア
ジュード・ロウだとは、
最後まで気づかなかった。
ジュード・ロウも年齢を重ねているんだね。
もっと細い体格のイメージがあったが。
がっしりして貫禄がでたおかげで
やがて魔法界をてらす光となる
傑物の予感をただよわせまくっていた。

グリンデルバルドが
クリーデンスに
彼の出自にかんする
ある重大な情報を
告げたシーンが謎だった。
なぜ、言ったのかとおもう。

グリンデルバルドは 
たしか前作で
クリーデンスがその心に
「オブスキュラス」を飼ったまま成長した
たいへんまれな存在であることに
ぎりぎりになるまで
気づいていなかった。
きわめてまれな例だったために
盲点になったというのは
わからなくもないが、
そのことに気づけなかった
グリンデルバルドが
いったいいつの段階で、
クリーデンスの
出自の真実などにたどりついたのか。

クリーデンスが何者か
クリーデンス自身も知らない。
親がなく過去もわからず
真っ白な自分に、
彼はとても苦しんでいるのだ。
クリーデンスが誰なのかが 
わからないからこそ、
利用しやすかった。
ほんとうのことを教えてやるとか
居場所をやるとか なんとか
えさをちらつかせるだけで
手ごまになったからだ。
「どこの馬の骨ともしれないが  
そのぶん後腐れがないし 使えそう」
それで目をつけたのではないか。
グリンデルバルドは本当に、
クリーデンスの正体を
知らないようだった。

グリンデルバルドが
クリーデンスに
うそをついたのでは。
本作の原題は
「~The Crimes of Grindelwald」だが
クリーデンスを騙したことが、
グリンデルバルドの罪、
なんじゃないかなあ。
魔法使いなのだから、
うそを真実だと信じ込ませる
「証拠」なんて、
魔法でいくらでも作れる。

ただ・・・
クリーデンスが何者か、
わからなくしておくほうが
都合がよかったのではないのか。
おまえが欲しがっているものを
与えてやる、でもそれは今ではない。
そこで寸止めしておけば
クリーデンスの心のなかに
ストレスが充填されつづけ、
オブスキュラスも強力なまま
キープしておける。

グリンデルバルドは 
オブスキュラスの力を使って 
ダンブルドアを倒そうと
考えているようだ。
だからどうして 
クリーデンスのガス抜きに
寄与してしまいそうな情報を
与えたのかなと。
クリーデンスの魔力が強すぎるので
ちょっとガス抜きして 
力の方向をさだめないと
御しきれない、とでも
考えたのだろうか?
そんな弱気で 他人を使って
ダンブルドアと戦ったところで
勝てるか?
クリーデンスの憎悪と怒りが
ダンブルドアに向かいやすいように
これからはもっともっと
うそを重ねていくのかな?
だが、うそがばれたとき、
一番 立場的に危険なのは
もちろんグリンデルバルドだ。

クリーデンスよ、
きみはいつまで 
そんなふうでいるつもりなんだ。
きみ自身が
変わりたいと願うことこそ
とてもだいじなのだ。
前作でも本作でも 
一度も 笑顔を見せてくれない。

純粋だが、考える力をもたない者
心が傷ついている者、
迷っている者を
グリンデルバルドはたくみに
利用している。