BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想をおもに記録しています。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

興味ある映画ふたつ/村山由佳「La Vie en Rose ラヴィアンローズ」-180926。

判決、ふたつの希望

イコライザー2」
は観られるといいなあと考えている。


※以下、発売されてまもない小説の内容に触れます。





村山由佳
「La Vie en Rose ラヴィアンローズ
(集英社文庫)

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http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-745785-8

読んでみた。
まえはこの人の小説には
内容よりも感性のかがやきを
すごく期待していた。
初期のころのなんかとくに。
さしてそれが必要ともおもえないようなところまで
行間がトパーズのように
きらきらして見えた。
いまは、そういうかんじじゃない。
内容を伝えるための
もっと実用的?な文になってきたようだ。
それか伝えたいことが
まえよりももっと具体的に
もっとするどくなってきた
のかもしれない。
かつてそうしたように
これすてきな表現だなあ!と
たちどまって
何度も読みかえしはしなかった。
ドラマをただ乱暴に追って
なかば読み捨てた。
たぶんちゃんと読めば
メタファとか
いろいろあるんだろうが。

だけどそれでもわるくはない
小説だった。
自作の登場人物に
明確な「殺意」をいだかせたのは
著者はこれがはじめてじゃないか?
殺したときに
その自覚があったかどうかでいうと
微妙な描写だったが。
「殺意」という言葉がはっきりと
一度もちいられたし、それに
死んでほしい、
この男がわたしを苦しめ
わたしをおさえつけ
わたしの息をしにくくさせてきた、
いままで愛されていたのではなく
こう扱っていい女だとたかをくくられ
コントロールされてきた、
この男がわたしの人生を奪った、
みんなわたしから奪っていく、
・・・の高まりは
そうと表現しないまでも
ギリギリと痛いくらいつたわった。
これ、殺しちゃうかもしれないなーと
うすうすおもいながら読んでたら
ほんとうに・・・
夢と心理の関係論においては
死や殺人は凶夢ではなく
むしろ生まれ変わり、巣立ちのとき、
飛躍的成長などの暗示ときく。
著者は道彦的なものを
ただ葬ってしまいたかったとは
おもえない。
いじいじした、
無自覚のそぶりが上手な、
被害者ぶって、
じつのとこいいとこどりの、
ねんねちゃん、という
主人公が体現する
およそ卑しさ、幼稚さ、
だがかなしいくらい人間的なもの、と
そこからの意志的脱却の苦難を
徹底的にみつめたかったのか。
道彦という「障壁」を
たたきこわしたあとになってみると
ほれぬいたはずの若い男のアラが
なぜだかとたんに目につきはじめ
しかもけっきょく
だれとくっついても
いじましい自分は
へどがでるほど自分のまま、
だれにも助けてもらえない
というところが
しっかりとクールな展開で
わるくなかった。
彼女はこれからどうするのかな。
でもすべておえたあとには
孤独という名の自立への道が
彼女をむかえてくれるんだろう。
お花がなあ。
かわいそうだけど。